2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of germ cell specific non-coding RNA and their function
Project/Area Number |
16K20908
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 博允 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (40772421)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精子形成 / マイクロRNA / ノンコーディングRNA / 生殖細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究からタンパク質をコードしないノンコーディングRNA (ncRNA)が様々な組織で特異的に発現し、遺伝子発現の様々な段階での制御を行っていることが明らかになってきている。 前年度までに生殖細胞で特異的に発現するマイクロRNAとしてmiR-741, miR-871, miR-880を同定した。CRISP-Cas9を用いたゲノム編集により作成したノックアウトマウスの表現型からmiR-871とmiR-880が精子形成過程においてFzd4遺伝子の発現を協調的に抑制することでWnt/βカテニン経路を制御していることを明らかにした。本年度は更に解析を進め、精子形成過程でのmiRNA-871, miR-880とFzd4の発現細胞を明らかにした。また長鎖ncRNA(以下lncRNA)については、胎齢10.5-13.5の始原生殖細胞 (PGC) 及びPGC様細胞 (PGCLC) で発現するlncRNAを同定した。これらのlncRNAはエピブラスト様細胞からPGCLCへの分化過程において発現が増加することを確認した。これらのlncRNAをsiRNAを用いてノックダウンした結果、PGCマーカー遺伝子のStellaの発現低下とVasaの発現上昇が確認できた。 本研究では生殖細胞で機能する低分子ncRNAとして新たにmiR-871とmiR-880を同定し、精子形成過程においてFzd4の発現を介してWnt/βカテニン経路を制御していることを明らかにした。また長鎖ncRNAではPGCの分化に関与する可能性のある2つのlncRNAを同定した。本研究成果はタンパク質をコードしないノンコーディングRNAが生殖細胞の分化・成熟においても重要な働きをしていることを示している。
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Research Products
(2 results)