2017 Fiscal Year Annual Research Report
Production of multiple-gene knock-in mice by Cas9 with cell-cycle specific function
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16K20929
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 沙織 (飯島沙織) 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (80732106)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ノックインマウス / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的の配列を標的遺伝子座に挿入したノックインマウスは、生体内での遺伝子発現のライブイメージング解析や、マウス遺伝子をヒト遺伝子に置換した遺伝的ヒト化マウス作製などが可能となるため、生命科学の様々な研究分野で広く使われている。特に、多重遺伝子ノックインマウスは、分子間・細胞間の相互作用の解析や、より高次元のヒト化マウス作製などが可能となり、高い需要がある。本研究は、ゲノム編集法の1つであるCRISPR/Cas9システムを用いて、ノックイン効率を上昇させることにより、より効率的に多重遺伝子ノックインマウスを作製するための方法を確立することを目指したものである。細胞周期とノックイン変異が生じる時のDNA修復経路の関係性に着目し、実施期間の平成29年度までに特定の細胞周期のみで機能する改良型Cas9タンパク質を構築した。加えて、この改良型Cas9タンパク質のノックイン効率への有効性を調べるため、単一遺伝子を標的としたノックイン系を構築し、マウス受精卵に導入した。すると、ノックインマウス作出効率が大幅に上昇するという非常に良好な結果が得られた。複数の遺伝子座に対して、同様に改良型Cas9タンパク質の効果を調べたが、実験を行なったほとんどの遺伝子座でノックイン効率の上昇を確認することができた。野生型Cas9タンパク質を用いた場合では難しかった約10kbの配列の挿入やY染色体へのノックインにも成功した。さらに、マウス受精卵で生じたノックイン変異は個体作出後も維持され、次世代へと伝播可能であった。
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