2019 Fiscal Year Annual Research Report
Children's perception about aggression, psychosocial adaptation.
Project/Area Number |
16K20941
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
関口 雄一 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (70758820)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 攻撃行動 / 中学生 / 学級 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度は,攻撃行動の捉え方に対する介入研究の実施を中心に行った。本研究における攻撃行動の捉え方は,報復の場合の加害行為を容認する「正当化」,攻撃行動の脅威度を低く見積もり,加害者にメリットをもたらすものと捉える「頻度・有用性」,攻撃行動を容認できないとする「否定的認識」の3つの観点から測定された。これらの捉え方のうち,「正当化」と「頻度・有用性」に働きかけることを本研究の目的とし,その介入方法を検討した。具体的には,既存の介入プログラムである問題解決療法と,ストレスマネジメントの心理教育の授業を参考とした。そして,攻撃行動の遂行の結果が,加害者の不適応に影響することを説明する,ストレスマネジメントの授業を作成した。 本研究は,1校の中学3年生102名(男子58名,女性44名,4クラス)を対象に実施された。授業の実施される1週間前に,心理学の授業を行う予定であること,個人情報の保護等を説明したうえで,攻撃行動の捉え方尺度(H28年度に作成)」と,中学生用ストレス反応尺度短縮版(岡安・嶋田・坂野, 1992)からなる質問紙調査を行った。そして,授業は2クラスずつ合同で行った。そして,授業後に再度,事前測定と同じ内容の質問紙と,授業の評価に関する項目と授業の感想等を問う自由記述欄からなるアンケートを行った。 攻撃行動の捉え方尺度の「正当化」について,Time(2)×性別(2)の分散分析を行った。その結果,主効果,交互作用いずれについても有意な結果は得られなかった。また,「頻度・有用性」について,Time(2)×性別(2)の分散分析を行った。その結果,有意傾向のTimeの主効果がみられ(F(1,92)=3.03, P<.10),授業前よりも授業後の「頻度・有用性」得点が低かった。この結果より,授業の実施により,攻撃行動を許容する考え方を修正できる可能性が示唆された。
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