2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20949
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
塚越 徳子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60723757)
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Project Period (FY) |
2017-02-07 – 2019-03-31
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Keywords | がん / 認知症 / 看護支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、認知症を有するがん患者家族の必要とする看護支援を明らかにすることである。さらに、看護師が行っている認知症がん患者家族に対する看護実践内容を明らかにし、看護実践上の課題を検討する。 平成29年度は、2つの研究に取り組んだ。1つは、先行研究から認知症を有するがん患者やその家族の困難を明らかにすることである。過去10年間の国内外の研究論文から、認知症とがんを併せ持つ患者や家族の困難を表す文脈を抜き出し、質的帰納的に分析を行った。国内文献は医中誌web、国外文献は、MEDLINE、CINAHLを用いて検索を行った。分析対象となった論文は、国内約25件、国外約15件であった。現在、分析作業中であり、平成30年度の論文投稿を目指している。 1つは、がん領域、認知症領域の専門看護師・認定看護師が捉える認知症を持つがん患者(療養者)と家族の看護上の課題を明らかにすることである。所属施設の許可が得られた群馬県内のがん領域、認知症領域の専門看護師・認定看護師が所属する35施設に協力を依頼し、協力の得られた18施設59名に調査協力の依頼を行った。59名中32名より返信があり、うち11名に対し面接調査を行った。調査協力のあった32名中22名(約7割)が、最近1年間にがんと認知症を併せ持つ患者やその家族の看護実践、および医療者からのコンサルテーションを受けていた。現在、面接調査の分析作業中であり、平成30年度に学会発表および論文投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、平成29年にがんと認知症を合併する患者の家族へ面接調査を計画していた。しかし、調査実施施設や対象者の選定に困難を要した。そのため、有識者と研究計画について意見を伺い、平成30年度に計画していた看護師を対象とした研究に切り替えて調査を行った。 また、看護師を対象とした調査は質問票を用いる予定であったが、先行研究を概観すると認知症とがんを合併する患者およびその家族の看護支援に関する論文は少なかった。そのため、調査方法を面接調査に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に取り組んだ2つの研究成果について、学会発表および論文投稿を行う。また、平成30年度には、がんと認知症を合併した患者の家族を対象に面接調査を行う。十分な対象者の確保を目指し、調査施設を2施設とし、所属施設および調査施設の研究倫理審査の受審を行う予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表のための旅費、英文校正として予算を計上していたが、学会発表および論文投稿に至らなかったため、次年度使用額が生じた。
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