2017 Fiscal Year Research-status Report
高リスク小児急性骨髄性白血病における多角的な遺伝子解析を用いた分子標的の同定
Project/Area Number |
16K20951
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
柴 徳生 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50600615)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 急性骨髄性白血病 / DNAメチル化 / 治療層別化 / 予後予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性骨髄性白血病(AML)は様々な遺伝子異常、染色体異常に伴い発生するヘテロな疾患であり、治療反応性や予後はこれらの異常に依存している。しかしながら、未だにこれらの異常が見出せない一群が存在し、それらの症例の予後を予測することは困難である。今回、小児AML64例に対し、遺伝子の99%およびCpGアイランドの96%をカバーしているイルミナ社のInfinium Methylation Assay EPICを用いて網羅的メチル化アレイを施行した。 その結果、メチル化パターンから小児AMLを4群に分類することが可能となり、それらの群は遺伝子異常、染色体異常に密接に関係していた。AMLではFLT3-ITDが最も有名な予後不良因子であるが、一部には良好な経過をたどる症例が存在することが知られており、今回のメチル化アレイの結果はFLT3-ITD陽性例の予後を予測することも可能であった。また、DNAメチル化パターンは遺伝子発現パターンとは異なった群分けがなされており、両者を併用し、多角的に検討することで予後不良、予後良好な一群を高精度に抽出することが可能になると考えられた。 また、網羅的に遺伝子変異解析を施行し、そのプロファイルを明らかにすることを目的に、次世代シーケンサー(超大量並列シーケンサー)を用いて、正常核型症例をを中心に分子生物学的な背景が不明な予後不良症例約100例の検体を用いて、様々ながんで報告のある343遺伝子についてTarget sequenceを施行した。しかしながら、成人で既報の遺伝子変異が少数見つかる程度で、複数例で病因となる新規の遺伝子を同定するには至らなかった。このことは、小児AMLの病因が遺伝子変異だけでは説明がつかず、融合遺伝子やメチル化、アセチル化など様々な事象が組み合わさって発症にいたることを示唆しているものと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画ではmicroRNAを平成29年度に行う予定であったが、Methlation arrayに注力したため、平成29年度の実行は困難であった。平成30年度の実施を計画している。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画書作成当初よりプロテオーム解析技術の進歩が見られており、また、変異解析、融合遺伝子解析、メチル化解析の進展より、AMLの背景がより鮮明になってきたことから、網羅的なプロテオーム解析を行うよりも予後不良例に絞った解析を検討している。具体的にはPRDM16高発現症例に対して、機能的に近傍の遺伝子群をChiPで選択することにより、そのタンパク定量を行う等を計画している。
|
-
-
[Journal Article] RUNX1 mutations in pediatric acute myeloid leukemia are associated with distinct genetic features and an inferior prognosis.2018
Author(s)
1.Yamato G, Shiba N, Yoshida K, Hara Y, Shiraishi Y, Ohki K, Okubo J, Park MJ, Sotomatsu M, Arakawa H, Kiyokawa N, Tomizawa D, Adachi S, Taga T, Horibe K, Miyano S, Ogawa S, Hayashi Y.
-
Journal Title
Blood
Volume: Epub
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] ASXL2mutations are frequently found in pediatric AML patients with t(8;21)/RUNX1-RUNX1T1and associated with a better prognosis2017
Author(s)
Yamato G, Shiba N, Yoshida K, Shiraishi Y, Hara Y, Ohki K, Okubo J, Okuno H, Chiba K, Tanaka H, Kinoshita A, Moritake H, Kiyokawa N, Tomizawa D, Park MJ, Sotomatsu M, Taga T, Adachi S, Tawa A, Horibe K, Arakawa H, Miyano S, Ogawa S, Hayashi Y.
-
Journal Title
Genes, Chromosomes, and Cancer
Volume: 56
Pages: 382~393
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-