2019 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the mechanism of action by which the intestinal microbiota affect the pathogenesis of malaria
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16K20952
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
谷口 委代 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20620800)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マラリア / dysbiosis / 腸内細菌 / 脳マラリア / ネズミマラリア / Plasmodium berghei ANKA |
Outline of Annual Research Achievements |
脳マラリアのモデルであるネズミマラリア原虫Plasmodium berghei ANKA株を感染させたC57BL/6マウスでは、小腸病態が生じるとともに腸内細菌叢が劇的に変化して腸内細菌バランス失調(dysbiosis)を起こす。またParasitemia(原虫の赤血球寄生率)および脳症状と相関が認められる菌が検出され、脳マラリアを含むマラリアの病態に腸内細菌が関与している可能性が示唆されたことから、本研究では、マラリア感染病態への腸内細菌の作用機序の解明することを目的としている。 前年度までに、腸内細菌のマラリアの病態に与える影響を確認するため、菌の移植、餌等の投与条件、無菌マウスへの感染を試みる中で、抗生物質の自由飲水投与により菌叢を顕著に変化させると、7~8割のマウスが脳症状を克服する条件を特定した。この条件下における腸内細菌の作用メカニズムの解明に取り組み、脳症状発症時の腸管や脾臓等における免疫応答の変調を明らかにした。腸内細菌が、脾臓等の臓器から末梢および脳へのリンパ球浸潤を抑制して脳症状が軽症化していることが考えられ、腸内細菌による宿主免疫応答の調節により感染病態が形成されている可能性が示唆された。 最終年度は、病態形成に関連する腸内細菌を特定するため、抗生物質の単剤あるいは多剤投与による感染動態を確認した。単剤では、多剤投与よりも脳症状を克服する個体の割合が減ることから多剤投与により消える菌が病態形成に関与、あるいは残存する菌が脳症状の軽症化に寄与することを明らかにした。今後、単剤と多剤の比較により病態形成に関連する腸内細菌の特定を試みる。より詳細な作用機序が明らかになれば、消化器症状の軽減・防御免疫の解明、腸内細菌叢の正常化を主眼とした新たな治療法の開発など、マラリアコントロールの新たな戦略を提案でき、マラリア制圧に向けた予防・治療への可能性が広がる。
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[Presentation] Altered gut microbiota composition in patients with Plasmodium falciparum malaria2019
Author(s)
Eiji Miyauchi, Tomoyo Taniguchi, Alex Olia, Eiji Nagayasu, Katuro Osbert, Kazutomo Suzue, Takashi Imai, Chikako Shimokawa, Risa Onishi, E.I. Odongo-Aginya, Nirianne Palacpac, Haruhiko Maruyama, Eisaku Kimura, Toshihiro Mita, Toshihiro Horii, Hajime Hisaeda, Hiroshi Ohno
Organizer
第42回日本分子生物学会年会
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