2017 Fiscal Year Research-status Report
地理情報システムを利用した医療・介護需要の横断的推計手法に関する研究
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16K20958
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土井 俊祐 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90639072)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地理情報システム / レセプトデータ / 医療政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究実施計画では、前年度までに完了した地域差の要因分析結果を利用し、現在の医療・介護サービスの利用のフロー図の作成と、将来の医療・介護の需要推計モデルの構築を計画していた。実際の研究の進捗については、平成28年度に千葉県千葉市より開示を受けた医科レセプト、介護レセプトの開示を受けたデータを用い、地域別の利用度分析とサービス利用のフローモデルの作成を完了させたが、需要推計モデルについては現在も推計モデルのパラメータ設定について検討中である。これまで完成させたモデルについては、千葉県千葉市のデータを適用し解析を進めているが、今後他の市町村のデータをさらに加えることで、モデルの改良を図っていく予定である。また、申請者の所属変更に伴い市町村担当者との交渉、打合せに想定より時間を要しており、全体の進捗としては研究開始当初の計画より遅れている。現段階では、特に自治体の要望が強い在宅医療及び介護サービスの利用状況の解析結果、及びサービス利用のフローについて、既に自治体への情報提供を行っている他、担当者との間で情報共有しながらモデルの改良を行っている。研究成果の提供については、地理情報システムを利用し、地図上にサービスの利用率や提供施設との位置関係について表示し、行政担当者がわかりやすい図表を提供している。 また、平成29年度前半までの研究成果を踏まえ、本研究にかかる論文投稿2件(国際誌1件、国内誌1件、いずれも査読有)、国内学会発表2件(口頭発表1件、ポスター発表1件、いずれも査読有)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全体として、複数市町村からのデータの取得の部分においてスケジュールに遅れが生じている。研究の進捗そのものは研究の初期段階で千葉市から十分量のデータを取得できているが、申請者の所属変更に伴い市町村担当者との打ち合わせもやや滞っており、研究の進捗に影響が出ている。解析・モデル作成の部分については、概ね順調に進んでいるが、当初計画にあった将来の医療・介護需要推計モデルの項目については、現段階で着手できていない。よって、研究計画の目標と比較して、やや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
データの取得については、データの追加により解析の精度を向上できると考えており、平成29年度中に対象とした自治体に限らず研究期間を通じてデータの取得に努める。 解析部分については、平成29年度中の研究成果をもとにモデル作成を進め、将来推計シミュレーション用モデルの完成と、シミュレーション結果のまとめを進める。研究計画最終年度であるため、研究のまとめまでを目指すが、モデルのPDCAサイクルが不十分である場合には、研究期間の延長も考慮する。
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Causes of Carryover |
(理由) 昨年度記載の通り、計画において見込んでいた地図データ(全国道路網データ)の購入について、他の研究資金において購入が可能となったため、物品費に大幅な未使用額が生じた。また、平成29年度内に平成27年実施の国勢調査データを収蔵した地図データが発売される予定であったが、公開が遅れたことから平成30年度前半に一括購入する予定である。 (使用計画) 基礎データとして上記の平成27年実施の国勢調査データを収蔵した地図データの購入を計画している。当該データについては、申請時から減額されたために購入を未定としていたが、未使用額が生じたことで、購入が可能となる見通しである。
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