2017 Fiscal Year Annual Research Report
Reversible Gelation of Electrolyte in Dye-Sensitized Solar Cell
Project/Area Number |
16K20960
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
廣瀬 裕二 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (60400991)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 色素増感太陽電池 / 可逆ゲル / 電解液 / ダイラタント流体 / 発電効率 / ヨウ素 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリカナノ粒子と高分子(ポリエチレングリコール)水溶液から構成される、振るとゲル化する流体(可逆ゲル)を地震、輸送時の液漏れの防止と通常時の粘性低下による発電効率の向上を目的として色素増感太陽電池の電解液に適用することを目指した。まずは電解質となるヨウ素およびヨウ化リチウムを加えた際の試料の調製を行ったところ、主に高分子とヨウ素から成る黒褐色の沈殿が生じた。 そこで様々な有機溶媒を滴定したところ、アルコールやアセトニトリルなど多くの溶媒で沈殿を溶解する作用が現れた。また、ヨウ素に対するヨウ化リチウムの割合を増やすことによっても、沈殿が生じない、均一な試料を調製することが出来た。この試料の粘度をせん断速度を変えて測定したところ、電解質濃度が上がるにつれてより低いせん断速度で粘度が増大し、ゲルへと変化することが分かった。また溶媒を含む試料では溶媒の種類やその含率に対し著しくその流動性は変化し、可逆ゲルの性質を示さなくなるものも多く見られた。特に分子量が200のポリエチレングリコールを溶媒として用いた場合、通常の可逆ゲルではせん断速度の増大により不連続に上昇する粘度が徐々に上がっていくという、従来の物質では見られないユニークな流動性が発現した。 エチレングリコールを含み可逆ゲルの性質を示す試料を太陽電池に導入して光を照射したところ、時間の経過とともに解放電圧が徐々に増大するという、通常の太陽電池では見られない現象を確認することが出来た。実験室レベルである電極間の間隙であっても本試料が可逆ゲルの性質を示し、振動時の液漏れ防止と通常時の発電効率の向上に有効であることが示された。このほか、高分子とナノ粒子の代わりに低分子ゲル化剤を使って電解液固めた場合、発電効率の低下が抑えられることも確認できた。
|
Research Products
(9 results)