2018 Fiscal Year Research-status Report
18世紀イギリス経済思想における戦争論―バーク、スミス、タッカーを中心に
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16K20978
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
佐藤 空 東洋大学, 経済学部, 講師 (60749307)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エドマンド・バーク / 啓蒙主義 / 歴史叙述 / 政治経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主にエドマンド・バークとデーヴィッド・ヒュームの歴史叙述および政治経済学に焦点を当てて研究を遂行した。バークの政治経済学に関する論文(英文)を執筆し、専門誌に投稿したほか、18世紀ブリテンの歴史叙述に関する論文(日本語)の執筆を進めた。また、バークに関する一般書の執筆も継続している。5月には立教大学で開催されたヨーロッパ啓蒙思想に関する研究会で「18世紀ブリテンの歴史叙述の射程」と題した報告を行なった。イギリスでは18世紀の(特に後半において)社会科学的な視点を持つ歴史叙述の発展がみられたが、そのような「啓蒙の歴史叙述」に関する最近の国内外の研究の進展を振り返りながら、今後の研究の展開について報告した。また、12月に同じく立教大学で開催されたブリテンにおける啓蒙主義と歴史叙述に関するシンポジウムにおいては、バークとヒュームの歴史叙述を中心に自らの最近の研究について報告した。バークとヒュームの思想的関係性については、近年の有力な研究の中で大きく見直されつつあり、これを体系的・包括的に研究することで、18世紀ブリテンの歴史叙述および政治思想の展開を新しい観点から捉えなおすことができるものと思われる。さらに、2019年2月には本年度に公刊されたロバート・フィルマーに関する研究書の書評会を組織し、東洋大学において開催した。以上のように研究は着実に進展しているが、その具体的な成果は来年度以降に公刊される見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進展は確かなものであるが、具体的な成果としては、2019年度に参加する国際学会などを経てさらなる研究の改善をはかったのちに、出版物などのかたちで公刊される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年7月にイギリスで開催される国際会議で成果を報告するほか、国内の学会や研究会でも複数回報告を重ねながら、論文のかたちで公刊する予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会での報告など、当初の研究計画に変更が生じたため。また、2019年4月や同年7月にイギリスで開催される国際学会に国内外の研究者と協力して参加し、発表や情報収集を行うことで補助事業の目的をより精緻に達成することができると考えたため。
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