2018 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical analysis of manufacturing sector: unobserved heterogeneity in production function and decomposition of aggregate productivity growth
Project/Area Number |
16K21004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 通雄 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (40580717)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生産性 / 生産関数 / 生産技術の異質性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、事業所レベルの生産関数の同定と推定について、集中的に研究を行った。本プロジェクトでは、同一産業内での事業所間の生産技術の多様性を許容するモデルの同定と推定について研究を進めている。事業所レベルの生産活動に関する統計調査では、生産に従事する労働力の情報が、従業員数等に限られていることが一般的であり、従業員の教育レベルやスキルの違いによる事業所間の労働力の多様性はデータではとらえられないことが多い。生産技術が異なれば、必要な労働者のスキル等も異なる可能性があるため、今年度は、事業所間の生産技術の多様性に加えて、各事業所の雇用する労働力について、データでは観察できない持続的な多様性があってもよいように生産関数を拡張した。我々は、この拡張したモデルも、ある条件の下でノンパラメトリックに同定可能であることを確認した。このモデルの推定は、誤差項の分布に追加的な仮定を課すことにより最尤推定法で行うことができる。具体的には、モデルの構造を利用して、最尤法を二段階に分割することができ、それぞれをEMアルゴリズムで解くことができる。我々は、実際にこの推定プログラムの作成を行った。今年度は特に、標準誤差の計算に進捗があり、シミュレーションによる推定プログラムの確認も時間をかけて行った。
日本の製造業の集計生産性成長率の要因分解については、RIETIディスカッションペーパー(Kasahara, Nishida, and Suzuki (2017)"Decomposition of Aggregate Productivity Growth with Unobserved Heterogeneity," RIETI Discussion Paper Series 17-E-083)にまとめた成果を海外の国際コンファレンスで報告し、今後の改善に向けて貴重なコメントを得ることができた。
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