2016 Fiscal Year Research-status Report
過去の生物多様性復元に向けて:本草学資料に残された生物記録の分類学的再検討
Project/Area Number |
16K21005
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
林 亮太 琉球大学, 農学部, 協力研究員 (60761848)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 本草学 / 動物分類学 / 生態学 / 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、①鹿児島県屋久島におけるアカウミガメに付着生物の採集調査と②静嘉堂文庫美術館における古典籍資料調査を行い、それぞれにおいて進展があった。 ①では、高木春山による「本草図説」中に残された『赤亀』の図に描かれているフジツボ類、カメフジツボの付着パターンを実際に観察・計測し、個体間距離などの基本的な記録を蓄積することができた。 ②では、木村黙老による魚譜「鱗鏡」を調査し、アオウミガメの図を得た。「本草図説」中に残された『異亀』の図がアオウミガメ、クロウミガメのどちらを描いたものか同定を進める上で、高木以外の博物学者によるウミガメ博物画との比較は非常に重要である。 現在は新たに得た資料をもとに博物画の記載を進めている。 今後はさらに未調査の古典籍資料の収集と野外調査による標本採集を進め、年度内の論文投稿を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの調査を遂行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる未調査の古典籍資料の収集と、野外調査による標本採集を継続する。
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Causes of Carryover |
OAジャーナルへの論文投稿料金として計上したが、原稿の受理に至らず改訂作業中のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
速やかに原稿の改訂を進め、査読付き学術論文としての公表を目指す。
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