2016 Fiscal Year Research-status Report
ハイパーブランチタンパク質ポリマーの分子設計指針の確立と足場材料としての利用
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16K21008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南畑 孝介 九州大学, 工学研究院, 特任助教 (90648586)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | タンパク質 / タンパク質ポリマー / 複合化 / 自己集合 / セルロソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の検討においては、構成ユニットとなる各モジュールタンパク質の調製と、足場タンパク質となるHBPP(ハイパーブランチタンパク質ポリマー)の調製を検討した。まず前者に関して、モジュールタンパク質として、SpyTagを導入したProtein G、EGFP、XynZ、AraFの調製を行い、いずれのタンパク質もSpyCatcherとSpyCatcher-SpyTag相互作用を介してSpyCatcherと複合体を形成することを確認した。 次に後者について、Y-tag配列(YGGGG(N末)あるいはGGGGY(C末))を導入したSpyCatcherを調製し、そのHBPP化を検討した。Y-tag配列を導入したSpyCatcher(Y-SC-Y)に対して、西洋わさび由来ペルオキシダーゼ(HRP)酵素反応処理を行った所、非常に高度に架橋したSpyCatcherのHBPPを得ることに成功した。HRP処理条件の最適化を行い、HBPPの調製条件の決定も達成した。EGFPとの複合化ならびに、プロテアーゼ処理によるモノマーユニットへの分解を行い、HBPP中のSpyCatcherユニットの反応性を調べた結果、70%以上のSpyCatcherユニットがEGFPと反応していることが明らかとなった。さらにリグニン分解酵素であるXynZならびにAraFをHBPP上に複合化させ、人工セルロソームの調製を行い、得られた結果について学術論文として纏め、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、申請者が開発したハイパーブランチタンパク質ポリマー(HBPP)の足場材料としての応用利用を目的とし、まず、HBPP を構成するタンパク質をモジュール化し、各タンパク質モジュールを組み合わせることで、所望の機能を有するHBPP を容易に調製できる系を構築することを目標としている。初年度の検討においては、モジュールタンパク質の調製ならびにHBPP化を検討し、SpyCatcherをベースとしたHBPPの調製に成功し、さらにSpyCatcher-SpyTag相互作用を介してHBPPの機能化を行えることを実証した。以上の結果から、初年度の研究については概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は主に以下の2点について基礎検討を実施する。 1)ストレプトアビジン(SA)をベースとしたHBPPを調製し、SA-biotin相互作用を介したHBPPポリマーの機能化を検討する。具体的にはSAにY-tag配列を導入し、HRP処理によるHBPP化を行い、得られるSAで構成されるHBPPに対してビオチン化蛍光色素による機能化を検討する。さらに得られた蛍光修飾HBPPを用いた検出系の構築を目指す。 2)上記の検討を踏まえて、SAとSpyCatcherの2種類のモジュールで構成されるHBPPの調製を検討する。Y-tagを導入したSAとSpyCatcherを任意の割合で混合し、HBPP化することで、biotinとSpyTagの互いに直交する2つの相互作用によって機能化可能なHBPPの調製を検討する。得られた二官能性HBPPを用いた検出反応系の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
2016年度に所属研究室が変わった結果、物品費として計上していたタンパク質精製用HPLCシステムを購入する必要がなくなったため物品費が削減できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
タンパク質モジュールの種類を増やすべく、当初予定していなかったタンパク質の調整を検討する。従って、DNA合成やシーケンス解析などに使用する費用が増大することから、それらの金額の支出にあてる。
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Research Products
(2 results)