2016 Fiscal Year Research-status Report
Web上の多変量データに基づく数理的実証分析によるプロモーション手法の検討
Project/Area Number |
16K21009
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川畑 泰子 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員 (20773708)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | プロモーション / 数理モデル / メディア情報学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,今まで複雑系科学の観点で分析がされてこなかったテレビ視聴のデータ(1分毎にどの番組に人が流入し,流出,継続の各人数)に対し,新たなに数理モデルを考案するアプローチの研究を行い,一つ研究成果として学術論文を発表した. この研究では,Integer-Valued自己回帰モデルを共同研究者と考案し,連続的なデータの中のピークが発生した際のパラメータの最適化を行うモデルとし,様々な外プロモーションやメディアからの影響に依存しなかった場合にも発生しうる人々の視聴活動への関心が集まった際の視聴データのピークの定量的な傾向を示す手法を示唆するものである.まだ一例の考案であるが,その結果でさらに多変量のメディアデータを活用したプロモーション手法考案のための数理モデルの構築の研究が進んでいる.また, 共同研究活動も盛んとなり, 他分野の研究者との意見や従来の数理モデルの問題点をクリアにする手法の再構築などもスタートさせた.上記のような研究成果を活かし, 国際会議のIEEE BIG DATA2016, ワークショップのComputational Social ScienceのChairとなった. 国内外の実社会における数理的な実証分析に取り組み事例を集めて, 自らも発表を行い, おおいに議論を交わし, さらなるビッグデータ解析が示す, 社会への提言の手法に関してテクニック面, 国内外の事例の意見交換などの機会をつくることができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は,企業との共同研究において引き続き数理モデルの最適化および実データへの応用における研究や,ニュース番組,ドラマなど様々な番組ジャンルに合わせたモデルの考案を行うきっかけとなる研究がすすみ,本年度内では数理モデルの考案のみで済ます部分以上に,産学連携の共同研究へ広がりを見せつつあり,来年度も期待ができる.また, さらに実社会の過去と現代の変化を捉えるための数量データを所持している企業からの海外渡航者におけるデータ(移動, 消費した金額, 購入した物品, 時間情報)提供の予定もあるため, 得られてきたデータの組み合わせなど本研究とのバランスの検討を行っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
テレビやTwitterなど様々なメディア同士の影響に関して解析ができるようデータ整形を行う. 多変量のテキストデータなどを取り扱う際の手法にも考慮して研究を進めたい.また,昨年度は予定以上にプロモーションに関わる多変量データを入手することができたため,これまで活用していたデータと組み合わせて新たな数理モデルの考案,最適化を行い,成果を発表したく考える.テキストマイニングにも考慮をいれて研究を進める.LDA(テキスト情報の中の隠れたカテゴリを抽出する手法)やTF-IDF(文書内単語の特徴量スコア算出)を行う.時系列変化などをスコアによって算出し,大衆の関心の変化を定量的に明らかにする.また,本年度はTwitter上のプロモーション情報に関わる世界中の言語に対応したメディアに関するキーワードとマッチするWikipedia情報の閲覧数などの数量なども活用し,網羅的にメディア情報に関する人々の関心を明らかにしていく.
|
Causes of Carryover |
平成28年度の研究計画において,ほとんど計画通りに進んだが参考文献などの追加をしなかったため未使用額が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度における,研究計画を進める上で必要な文献の購入に充てることにしたい.
|