2017 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者の嗜好性に着目した心理プログラムの開発
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16K21016
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
市倉 加奈子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, プロジェクト助教 (00769044)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心理療法 / 精神療法 / 嗜好性 / がん / 終末期 / 緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は終末期がん患者の嗜好性を考慮した心理療法プログラムの開発を目指すものである。研究目的として、第1に積極的治療が終了した終末期がん患者がどのような心理療法を好むのか、その嗜好性パターンについてコンジョイント分析を用いて明らかにすることとし、第2に上記研究により抽出された終末期がん患者が好む心理療法のパターンをもとに、終末期がん患者に適した心理療法を開発し、第3に開発された心理療法プログラムを実施し、前後比較研究によりプログラムの効果を予測することとしている。平成29年度は昨年度に研究1の予備調査として実施した終末期がん患者を支援している心理職および一般精神科患者を支援している心理職に対する調査について、録音したインタビュー内容のテープ起こしおよび、内容分析を実施した。上記の分析結果から、積極的治療が終了した終末期がん患者では身体状況が優先され、病室でのカウンセリングや短時間のカウンセリングとなる場合が多いこと、体調や生活など身近な話題をテーマとした支持的精神療法が主体となることが明らかにされた。また、がん患者に実施される心理療法については、「頻度」「時間」「金額」「内容」に関する4水準48パターンが抽出された。これらすべての組み合わせについて心理療法シナリオが作成され、それぞれ「1(受けたくない)」から「5(受けたい)」の5段階で回答を求める質問紙を作成した。研究1の本調査では、この質問紙を入院または外来通院中の進行がん患者に実施する。本調査については2017年11月に倫理審査委員会への申請を行い、2018年1月に承認を得ている。その後2月よりリクルート開始し、平成30年度にも継続して行う予定である。またこれらの作業と並行して、予備調査の研究成果を学会発表および論文として公表するために準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に計画していた通り、研究1の予備調査および本調査の実施が計画通りに遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1の予備調査および本調査は計画通りに遂行されているため、研究1が終了し次第、早急に研究2へ移行することを目指す。研究1における学会発表および論文化の準備を進めていくこと、研究2における心理療法プログラムの開発がスムーズに進行するために、先行研究の収集、研究グループ内の議論を進めておくこと、が今後の課題となる。
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Causes of Carryover |
旅費の支出が予定より低かった。旅費は、情報収集のために国際学会に参加する予定であったが、体調不良のために参加困難となり、実質的に旅費が不要となった。予定していた学会での情報収集および成果発表は次年度に行うことになったため、その分の旅費については移行されることとなった。
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Research Products
(5 results)