2017 Fiscal Year Research-status Report
触媒粒子層の表面反応機能高度化を実現するナノ粒子マイクロプリンティング法の開発
Project/Area Number |
16K21032
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀谷 雄樹 東京工業大学, 工学院, 特任准教授 (50734422)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノ粒子層 / エネルギー輸送 / エネルギー変換 / 物質輸送 / 光触媒反応 / 表面拡散 / 多孔質構造 / マイクロ表面構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のナノマテリアル製造技術における著しい進展を背景として、ナノマテリアルを応用した新規な材料機能性の創出が望まれる。環境・エネルギー技術の発展に貢献し得る新しいコンセプトの提示が工学分野の基礎研究において重要であり、本研究はその課題の一つに取り組むものである。
ナノ粒子分散液を乾燥し溶媒を除去して得られる固相の“ナノ粒子層”は微細配線や光学薄膜などを目的として研究開発が進められてきたが、本研究では化学反応の場を構成する“触媒粒子層”としての利用を探索する。ナノ粒子層の内部構造及び外形の制御により触媒反応の促進が達成できると考え、工学的に有用な広い面積においてナノ粒子層の構造制御が可能な“ナノ粒子マイクロプリンティング法”の実現を目指すこととした。
平成29年度は、前年度までの研究により得られたナノ粒子層構造を制御する手法を用い、その技術の適用先の一つとして考えられる酸化チタンナノ粒子層を対象に、粒子層構造の制御による光触媒反応の高機能化を実験的に検証することとした。その結果、ナノ粒子層の多孔質構造により反応に関わる物質輸送が促進されることが確認された。さらに、粒子層にマイクロメートルスケールの構造を付与した場合には、入射光の触媒層内における吸収量が増加するため、触媒層における単位面積当たりの触媒重量が同等の条件で比較すると大きな反応速度の向上がみられた。すなわち、触媒層の構造を制御することより、入射するエネルギーの有効な活用が可能になることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画において中心的な課題であった光触媒反応の評価を予定通りに進めることができた。この結果により、前年度に実施した触媒粒子層の構造制御手法に関する検討の意義を、より明確に示すことができた。さらに、ナノコロイド乾燥過程における粒子層形成挙動の数値シミュレーションを実施するなど、付加的な検討を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、触媒粒子層のさらなる構造制御の可能性を探索するとともに、構造制御の効果を触媒反応において最大限引き出すための理論的な検討も併せて実施していく意向である。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入額が当初計画より少額で済んだ。翌年度における実験の消耗品購入にて使用する計画である。
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Research Products
(4 results)