2017 Fiscal Year Research-status Report
膜内化学反応と膜ダイナミクスが協同した人工細胞システムの創製と機能創出
Project/Area Number |
16K21034
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
森田 雅宗 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90708504)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リポソーム / ドロップレット / 人工細胞システム / DNAナノテクノロジー / DNAゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生体システムに見られるような化学反応とダイナミクスの様な機能が協同するシステムを人工的に構築することである.昨年度から引き続き,DNAマイクロ構造体にRNA転写機能を付与した系の構築に成功した.さらに,DNAゲルで裏打ちされたリポソーム(人工細胞)の作製に共同研究として参画し,作製に成功,国際誌に共著者として掲載された.また,本年度は,ダイナミクスの一つである膜の変形についても評価した.本研究では界面透過法と呼ばれる方法でリポソーム(人工細胞)を作製しているが,従来の水和法と異なるのでダイナミクスへの影響が不明であったので,脂質膜に対して外的刺激を加えて,水和法によるリポソームのダイナミクスとの違いを考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドロップレット内でのDNAマイクロ構造体形成では,幾何学的に複雑な構造にRNA転写という機能を付与することができた.さらに,DNAで裏打ちされた人工細胞の作製にも成功した.同時に,今後のダイナミクス機能の発現に向けて,リポソームの評価系を構築した.一部で遅れはあるが,概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
リポソームの評価系をさらに,実際の細胞膜が有する構造に近づけた系での実証および化学反応とダイナミクス機能が協同するシステムの構築を行う
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Causes of Carryover |
当初購入予定であった機器は前年度,他の助成によって購入できたので,別の機器を選定した.研究遂行上,実験の特性で3次元情報が必要であり,3次元構造を構築するために,顕微鏡にZ軸情報を取得するための機器を設置した.また,適宜,消耗品として試薬・材料を購入した.
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[Journal Article] DNA cytoskeleton for stabilizing artificial cells2017
Author(s)
C. Kurokawa, K. Fujiwara, M. Morita, I. Kawamata, Y. Kawagishi, A. Sakai, Y. Murayama, S. M. Nomura, S. Murata, M. Takinoue, M. Yanagisawa
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)
Volume: 114
Pages: 7228-7233
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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