2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of transportation mechanism of NAD precursors
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16K21051
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
夜久 圭介 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 研究員 (70761865)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | NAD / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
Nicotinamide Adenine Dinucleotide (NAD)はエネルギー代謝をはじめとする主要な反応にかかわる重要な補酵素である。また、老化や生活習慣病に対してNADの前駆体を用いた介入試験が活発に行われており、NADの前駆体であるNicotinamide Mononucleotide (NMN)とNicotinamide Riboside (NR)は肥満や2型糖尿病などに対する治療効果が期待されている。さらにこれら前駆体は日本とアメリカでそれぞれ臨床試験が行われており、特に注目されている。本研究ではこれらの前駆体の取り込み動態を解明することによって、NAD代謝の活性化を介した生活習慣病の発症予防および治療法の開発を目指すことを目的とした。 そこで今年度までに、NMNとNRの細胞取り込み動態ならびにこれら前駆体が細胞内のNAD代謝に与える影響について、LC-MSによるメタボロミクスで解析を行ってきた。特に今年度は、NMNとNRの取り込み後の動態について培養細胞と動物を用いてさらに詳細な解析を行った。培養細胞を用いてNRを代謝する酵素をノックダウンし、NAD前駆体の動態を調べたところ、NRはこれまで知られていた経路と異なる代謝機構によってNADへと変換されることを見出した。さらに動物の静脈にNRを投与し、各組織におけるNADメタボロームを測定した結果、特に肝臓と腎臓においてNRの新規代謝経路が活発であることが示唆された。 NRはNAD代謝を介した介入試験において最も注目されている前駆体の一つであるため、本研究で見出された機構を詳細に解明することはNAD代謝をターゲットとした抗生活習慣病戦略に重要である。
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Research Products
(3 results)