2016 Fiscal Year Research-status Report
PETを用いた投球動作における全身骨格筋活動の検索:パフォーマンス向上と傷害予防
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16K21053
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高田 泰史 金沢大学, 附属病院, 医員 (50749174)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポジトロン断層撮影法(PET) / 投球 / 骨格筋 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
投球動作は全身運動である。投球障害は肘や肩の関節周囲に多いため上肢に注目が集まりやすいが、足部から下肢・股関節・体幹・肩甲帯・上肢を通じて手指からボールに力を伝える全身運動である。したがって、個々人の投球動作を改善し、パフォーマンスの向上と傷害予防につなげるためには、対象となる選手が投球時にどの骨格筋をどの程度活動させているかを、全身的に検索する必要性があると考えられる。 これまで投球動作時に活動する骨格筋を調べる方法としては、前述のように筋電図が一般的に用いられてきた。しかしながら、筋電図ではごく一部の筋の活動しか評価できず、電極が動作の邪魔をするという難点があった。この点において、我々が行っているポジトロン断層撮影法(PET)を用いた全身骨格筋活動の評価では、全身隅々までどの骨格筋がどの程度活動しているかを半定量的に評価可能であり、投球時に動作を阻害する電極のようなものを貼付する必要がないため、完全に普段通りの投球を違和感なく行うことができる。すなわち、100%自分の力を出し切った投球動作時の全身骨格筋活動が評価可能である。 平成28年度は、大学硬式野球部員を対象に、PETを用いて投球時の骨格筋活動を評価した。全身的な検索により、個々人により活動性の上がる筋が異なること(個人差)、被験者に共通して活動の上がる筋があること(共通性)が見いだされた。また、動作解析や筋力測定を同時に行っており、これらとの関連性は今後の検討課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、プロ野球選手等も被験者としてリクルートする予定であったが、シーズンとの日程が合わず、平成28年度は断念した。また、同様にオフシーズンでの実施が必要であったため、各骨格筋活動の定量化解析までは平成28年度中に到達しておらず、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、前年度実施した実験をプロ野球選手等と日程調整を行い、同様に実施する予定である。また、定量的解析に関しても逐次実施し、結果として公表できるところまで進める予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は実験の開始が野球チームのシーズンとの兼ね合いで、オフシーズンに実施する必要性があり、2月から実際に始まったため、硬式野球部員9名の実施にとどまった。そのため、PET検査の費用として計上していた額に翌年度の繰り越しが発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、昨年度の繰り越し分と合わせて、計画分の人数で実験を実施し、予算を使用する予定である。
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