2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a new electrophysiological tool for evaluating small fiber dysfunction
Project/Area Number |
16K21068
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小平 農 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (60648012)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 痛覚 / 表皮内電気刺激法 / 末梢神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常診療での皮膚痛覚検査は他の諸検査と比べて著しく遅れており、これまで客観的生理検査法のなかった末梢神経小径有髄(Aδ線維)機能(痛覚)の定量的検査法として、表皮内電気刺激法の臨床応用を小径末梢神経障害を呈する代表的疾患である家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)患者を対象として初めて試みた。 表皮内電極刺激法による選択的Aδ線維刺激をFAP患者18名および健常者18名に対して試行し、痛覚閾値と誘発電位を測定した。また、定量的感覚試験におけるAδ線維機能を反映するとされている冷感覚閾値を測定した。FAPでは広く知られている四肢の末梢神経障害のほかに体幹にも長さ依存性末梢神経障害が存在することが臨床的に知られており、Th10レベルの腹部前面、側腹部、背部において各種検査を施行した。 表皮内電気刺激法と定量的感覚試験における感覚閾値はFAPにおいては側腹部、背部と比較し、腹部前面で上昇していたが、健常者では差がなかった。また、両検査における感覚閾値は相関していた。表皮内電気刺激法を用いた誘発電位の振幅はFAPでは長さ依存性末梢神経障害を反映して、肋間神経の終末部である腹部前面において誘発電位振幅の低下を認めたが、健常人では腹部前面と背部で差がなかった。 これらの結果は表皮内電気刺激法の末梢神経小径有髄(A delta線維)機能(痛覚)の定量的検査法としての臨床的有用性を支持する結果であると考えられた。
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