2017 Fiscal Year Research-status Report
下肢動脈硬化を早期発見する:オシロメトリック法を用いた下肢血管内皮機能計測法提案
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16K21076
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平野 陽豊 静岡大学, 工学部, 助教 (50725679)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血管内皮機能 / FMD / オシロメトリック法 / ezFMD / 血管力学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管弛緩を非侵襲計測するためには,血管にかかる力と運動の2情報を非侵襲計測する必要がある.これまでに研究代表者は血管の力に相当する連続血圧,運動に相当する連続血管径変位を計測し,対数線形化血管力学モデルに基づき血管粘弾性特性を心拍一拍ごとに定量推定する手法を提案したが,この方法では血圧と血管径を個別のデバイスで計測する必要があった. そのため本年度は,カフから得られる情報のみを用いて血管にかかる力と運動を計測する.オシロメトリック法のよる計測時は,カフ-血管間生体組織が非圧縮性流体であると仮定される.この時,血管内圧とカフによる加圧力が血管壁内外にかかるため,血管内圧とカフによる加圧力の差分を取ることで血管壁法線方向の圧力が計測できる.同時にカフ容積変化は血管容積変化に比例するため血管壁法線方向の運動も計測可能である.この特性を利用することで下肢血管内皮機能に伴う血管弛緩を推定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は下肢血管内皮機能をより精度よく推定するためのアルゴリズムを考案することが出来た,この方法では超音波エコーでは困難であった下肢の血管内皮機能計測を,単一デバイスで精度よくかつ簡便に下肢血管内皮機能が計測できる可能性がある.今後被験者を増やして詳細な検証を行うことで非常に有用なシステムであることを示すことができると考えられる.これは当初予定していた通りの進展である.来年度は改良システムをシステムの有用性の更なる検討を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
提案システムが動脈硬化早期発見システムとして機能するためには,算出された評価指標が健常群と動脈硬化ハイリスク群を区別できること,システムの評価指標に十分な再現性がある必要がある.具体的にはシステムの有用性を検討するために,下肢動脈硬化疾患者,糖尿病や高血圧など動脈硬化疾患者ではないが将来動脈硬化を発症する可能性がある動脈硬化ハイリスク者を対象に下肢の血管内皮機能計測を行う.計測後,統計処理に基づき本システムから得られる指標の妥当性を検証する.
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Causes of Carryover |
(理由)本年度行う予定であった成果発表を新年度開催の国際会議へ持ち越したため,旅費および参加費などの確保が必要になったため,および論文掲載料支払い時期の遅れに伴う予算確保が必要となったためである.
(使用計画)改良システムを用いて病院でのデータ計測を想定している.そのための旅費・謝金等を計上する予定である.および上記とは別途の成果発表を行うための旅費および雑費を計上する予定である.
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[Presentation] 血管粘弾性変化率によりオシロメトリック式血管内皮機能評価法ezFMDの識別能力は向上するか?2017
Author(s)
田中敬士, 平野陽豊, 曽智, 栗田雄一, 鵜川貞二, 中村隆治, 佐伯昇, 河本昌志, 東幸仁, 吉栖 正生, 辻敏夫
Organizer
第2回日本血管不全学会学術集会・総会
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