2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K21078
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中原 竜治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任研究員 (60725167)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 注意欠如・多動症 / 出生コホート / 神経発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
注意欠如・多動性障害(以下,ADHD)をもつ子どもは、増加の一途を辿っており、発達障害の中で最も有病率が高い(DSM-5,2013)。児の予後は厳しく、不注意や多動性・衝動性の改善に乏しいケースが多い(Faraone et al.,2006)だけでなく、周囲からの叱責、いじめ、仲間はずれといった社会生活上の問題が生じやすい(Reinhardt et al.,2013; Nigg.,2013)。このような社会生活上の問題は、ADHDの障害特性、すなわち不注意や多動性・衝動性そのものに由来しており、見過ごせばさらなる困難や周囲からの不適切な関わりによって、情緒的な混乱をはじめ二次的に精神医学的合併症を生じる(二次障害:齊藤,2009;杉山,2003)。また、ADHD児が青年期、成人期以降において反抗挑戦性障害、素行障害や気分障害、物質使用障害を併存することもよく知られている(Thapar et al.,2015; Fischer et al.,2002)。予後を改善するため、早期の介入が必要であることが指摘をされている(Young et al.,2010)が、乳幼児期の落ち着きのなさはADHD以外の診断を持つ子どもたちも呈しやすいとされていることから、乳幼児期におけるADHDのに関しての知見は限られている。 したがって、乳幼児期におけるADHDの発達上の特性を明らかにすることは、重要な課題である。本年度は、静岡県浜松市における大規模出生コホート(HBC-Study)にエントリーしている母子を対象に、これまでの追跡を継続しつつ、6歳時点における、ADHD-RSでの不注意と多動性・衝動性の評価などの測定を実施した。現在までに、1000名程度の母子のデータの収集が終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に、当初予定していた母子への発達検査及び面接が終了した。また、コホートデータの整理や統計解析の準備についても、見通しを立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、データの収集を中心に行った。今後は、蓄積されたデータを統計学的に解析して、ADHD の乳幼児期における特徴を見出し、解析結果を国内外の学会にて発表するの と並行して、英語の査読付きジャーナルに投稿する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由とし、謝金にて支払う予定であったデータ入力を担う人員が不足していたことがあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度においては、人員を担保し、収集しているデータの入力を完了させる予定であるため、それらに使用する。
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