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2016 Fiscal Year Research-status Report

周産期ウイルス感染が惹起する炎症反応に基づく神経発達障害の分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 16K21080
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

伊藤 教道  名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30726310)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
KeywordsIFITM3 / RabGDI / polyI:C / Rab5
Outline of Annual Research Achievements

IFITM3はpolyI:Cなどの免疫反応や炎症反応に応じてアストロサイト特異的に発現誘導される分子であり、アストロサイト依存的な神経細胞障害に重要な役割を果たしていることが示されているが、その詳細な分子メカニズムについては不明な点が多い。我々は以前、IFITM3の新規結合蛋白質の網羅的解析を行い、RabGDIを同定した。RabGDIとIFITM3はpull down assayにより結合することを確認した。また、アストロサイトにおけるRabGDIとIFITM3の局在について検討したところ、両者は細胞内で一部共局在していることが明らかになった。さらに、IFITM3のpull down assayによりRab5とRabGDIが複合体を形成するか検討した。その結果、IFITM3の新規結合蛋白質として同定したRabGDIがRab5と複合体を形成していることが示唆された。
次にアストロサイトをpolyI:C処置後、GST-R5BDを用いてpull down assayを行った。その結果、PBS処置した対照群に比べpolyI:C処置したアストロサイトではRab5の活性が増加している傾向が認められた。また、polyI:C処置した培養アストロサイトではEEA1ポジティブなベシクルのサイズが増大する傾向がみられた。
次にpolyI:Cによる神経細胞障害におけるRab5の影響を検討するためにドミナントネガティブ型Rab5(S34N)を発現させたアストロサイトの培養上清を神経細胞に添加し、神経突起の伸張を測定した。polyI:Cによる神経突起伸張の障害はアストロサイトにRab5 S34Nを発現させることで部分的に改善される傾向が示された。polyI:Cによる神経突起伸張の障害は部分的にRab5を介している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は当初予定していたIFITM3とRabGDIの結合およびIFITM3の過剰発現系における機能解析、さらに培養アストロサイトのpolyI:C処置おける機能解析について進展がみられた。また、in vivoの解析を行うためのウイルスベクターの作製も予定どおり実施できている。
GDIノックアウトマウスは現在作製中であり、確認でき次第行動薬理学的解析を行うことが可能である。以上より、ノックアウトマウスの準備は予定よりやや遅れているものの、その他予定していた項目はほぼ達成できているため概ね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

RabGDIの機能を解析するためにRabGDIをノックダウンしたアストロサイトが神経突起伸長に与える影響について検討する予定である。そのためのshRNAベクターを作製する。また、IFITM3ノックアウトマウスから採取した培養アストロサイトを用いて同様に解析を行う。
現在作製中のGDIノックアウトマウスの確認を引き続き行い、ノックアウトが確認できたlineから順次ゴルジ染色やニッスル染色などの神経科学的解析および行動薬理学的解析を行う。さらにウイルスを介して変異型Rabタンパク質を発現させたときの神経化学的、行動薬理学的変化について解析を行う予定である。

Causes of Carryover

ウイルス作製に使用する試薬をより安価な試薬に切り替えることができたため消耗品のコストを大幅に削減することができた。また、生化学的解析および細胞生物学的解析の一部は既に購入済みの試薬で進めることができたため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度はin vivo解析を中心に行う予定のため、次年度使用額はマウスの購入・維持費に費やす。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] IFITM3による細胞内輸送の制御機構2016

    • Author(s)
      伊藤教道、永井拓、衣斐大祐、中島晶、鍋島俊隆、山田清文
    • Organizer
      第18回応用薬理シンポジウム
    • Place of Presentation
      名古屋大学 医学部 医系研究棟1号館 地下会議室(愛知県名古屋市)
    • Year and Date
      2016-08-05 – 2016-08-06

URL: 

Published: 2018-01-16  

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