2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of pharmacological treatment for delirium: analysis of cerebrospinal fluid and interventional study
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16K21082
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中嶋 宏貴 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20759584)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オレキシン / 血漿 / せん妄 / 腎機能 / eGFR / クレアチニンクリアランス / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画変更後の研究『せん妄患者と非せん妄患者での血漿中オレキシン濃度の差に関する研究』の臨床情報収集と検体採取が前年度に終了し(症例数70名)、本年度はその解析と論文投稿を行った。現時点での主な解析結果は以下の3点。 1、せん妄患者と非せん妄患者とで、血漿中オレキシン濃度に差はなかった。また、血漿中オレキシン濃度はせん妄の重症度やせん妄の病型とも関連がなかった。さらに、せん妄患者について、せん妄が改善する前後のオレキシン濃度にも差がなかった。全体として、血漿中オレキシン濃度とせん妄には関連がないことを明らかにした。オレキシンは主に脳から分泌されるため、オレキシンとせん妄との関係をより正確に把握するには、やはり血液ではなく脳脊髄液を用いた研究が必要である。これらの結果は論文として投稿し掲載済み。 2、血漿中オレキシン濃度は腎機能と負の相関を示した。血漿中オレキシンは腎臓を通して尿中へ排泄されている可能性があり、腎機能の低下とともに体内のオレキシン濃度が高くなる可能性がある。世界で血漿中オレキシン濃度を測定する研究が増えてきているが、今後は研究の計画や解釈に腎機能を考慮する必要がある。この結果は論文として投稿し、査読者からの修正依頼に回答中。近日中に受理される見込み。 3、入院時に簡単に収集できる情報を元に入院後のせん妄の発症を予測する方法を検討し、結果として、従前のADL(日常生活動作)が悪いことと、入院時の疾患が重篤であることの2項目が強い予測因子であることを見出した。この結果は国内学会で発表済みで、現在論文投稿への準備中。
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Research Products
(2 results)