2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K21086
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡田 勇 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (00650649)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗議運動 / ラテンアメリカ / 天然資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は予定通りに進んだ。当初予定していた社会紛争データが入手困難であることが昨年度中に明らかとなったが、別のデータを用いた分析と研究成果の発表を行うことができた。本年度は総じて、今後の論文発表に向けて国際・国内の学会で研究成果を議論する機会が得られ、さらに研究データの分析を進める指針が得られた。ラテンアメリカ地域の研究者だけでなく、本研究と関心を共にする欧米の研究者の間でも関心が強いテーマであることから、英語あるいはスペイン語での研究成果発表を期することにしたい。 4月28日~5月8日にペルーはリマで開催されたLatin American Studies Association (LASA)の年次大会に参加し、本研究課題に関連する多くの研究パネルにて発表者や他の参加者と有意義な意見交換を行うことができた。またその後に同国内カハマルカ市を訪問し、国立カハマルカ大学と私立アントニオ・ギジェルモ・ウレロ大学にて研究発表を行った。カハマルカ市は鉱山開発に関連した抗議運動が多く発生してきたことで有名であり、現地で研究者や大学生と意見交換できたことは本研究を完遂する上で意義深い成果となった。 6月2日~4日は東京大学で開催された日本ラテンアメリカ学会に、6月17日~18日は成蹊大学で開催された日本比較政治学会に参加した。後者では「資源レントの分配と抗議運動:ラテンアメリカ地域の再検証」と題する研究報告を行い、活発な意見交換を行った。また6月25日には早稲田大学で開催された研究会に出席し、同様の研究成果を英語にて報告した。いずれにおいても、分析結果について様々な専門家と意見交換をすることができた。今後、これらの研究成果は英語もしくは日本語で論文発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、国際・国内の学会にて研究成果について議論する機会が多く与えられ、実りがあった。本年度半ばから英語論文を仕上げて投稿を開始したが、未だ採択されるには至っていない。そのため最善の進展とは言い難いが、課題点も明らかになってきているため、次年度以降には分析をさらに推し進め、研究成果の発表を完遂することにしたい。 4月28日~5月8日にペルーはリマで開催されたLatin American Studies Association (LASA)の年次大会に参加し、本研究課題に関連する多くの研究パネルにて発表者や他の参加者と有意義な意見交換を行うことができた。またその後に同国内カハマルカ市を訪問し、国立カハマルカ大学と私立アントニオ・ギジェルモ・ウレロ大学にて研究発表を行った。カハマルカ市は鉱山開発に関連した抗議運動が多く発生してきたことで有名であり、現地で研究者や大学生と意見交換できたことは本研究を完遂する上で意義深い成果となった。 6月2日~4日は東京大学で開催された日本ラテンアメリカ学会に、6月17日~18日は成蹊大学で開催された日本比較政治学会に参加した。後者では「資源レントの分配と抗議運動:ラテンアメリカ地域の再検証」と題する研究報告を行い、活発な意見交換を行った。また6月25日には早稲田大学で開催された研究会に出席し、同様の研究成果を英語にて報告した。いずれにおいても、分析結果について様々な専門家と意見交換をすることができた。今後、これらの研究成果は英語もしくは日本語で論文発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、最終年度であるため、研究成果を英語あるいはスペイン語の論文の形で発表することとしたい。 すでにデータを基にした分析はある程度終えているが、事例研究をさらに進める必要性を感じている。その理由としては、査読誌への投稿の結果、理論的な精緻化がまだ不足しており、その目的のためにより質的な情報で理論枠組みを補強する必要があることが明らかになったためである。もっとも、新たにオリジナルな事例研究を行う必要が必ずしもあるわけではなく、すでに入手している文献やインタビュー情報を基に、さらに読解を進め、理論枠組みの完成を目指すことが望ましいと考えられる。 次年度は基本的に論文投稿を主として作業を進めるが、他方で今後の研究の発展の余地も見えてきている。本年度にペルーはカハマルカの2つの大学で研究発表を行い、好意的な感触が得られたため、同地でより深みを持った研究を進めることが1つの選択肢である。この事例研究は、上記のように、因果メカニズムをより明解にするものと期待され、査読誌への投稿に当たって重要な材料となる。すでに現地の研究者との協力合意も得られており、ラテンアメリカでも有名な鉱山紛争(New York Times紙などにも取り上げられている)を経験したことから、本研究課題と関連付けながら、さらに発展的な研究成果が見込める。
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Research Products
(7 results)