2017 Fiscal Year Annual Research Report
Randomized controlled trials for pain relief effect evaluation of neonatal plantar puncture by oral sucrose administration
Project/Area Number |
16K21120
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩永 甲午郎 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (90750547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新生児 / 疼痛 / ストレス / NIRS / コルチゾール / 心拍変動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は健常新生児を対象に処置時の疼痛ストレスとストレス反応について調査し、ショ糖内服が疼痛緩和にもたらす影響について解析するものである。対象者は、研究代表者所属施設出生で新生児室管理となった在胎37週から41週出生の新生児40例でデータ収集を行った。最終年度では当初の計画とは異なり、同一人において連続した2日間での両方(ショ糖内服、蒸留水内服)の試行を行った。これにより同一の生後日数における両群比較を横断的解析が可能となった一方で、連続した二日間での縦断的解析(=個人内比較)が可能となった。結果はストレス関連パラメータを使用してショ糖による影響を解析し、唾液コルチゾールの上昇と大脳皮質組織活動性および交感神経は有意な亢進を認める一方で疼痛評価スケールは低減していた。大脳皮質活性化や交感神経亢進が疼痛評価スケール値と相関しない結果はショ糖の薬理学的効果あるいは疼痛軽減効果の指標として疼痛評価スケールツールとしては適さない可能性が示唆された。なお疼痛尺度評価のための画像撮影は問題なく行えたが、初年度の結果と同様に表情の変化は比較的安定していないため、その他の心拍やSpO2などの生体パラメータと比較すると、過大評価あるいは過少評価の可能性が懸念された。また、る唾液コルチゾールの値は、乱高下する児が少なくなく、その有用性は再度検証の必要性が考えられた。今後の発展的研究として、大脳皮質の活動性を反映する体動評価と交感神経亢進を反映する末梢組織血流を非侵襲的レーザー血流計を用いて、ショ糖内服による新生児へのストレス反応に関してさらに詳細な検討を行うことで上記課題も克服できる可能性が考えられた。
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