2016 Fiscal Year Research-status Report
脂肪分化におけるRNAスプライシングが制御する遺伝子発現調節機構の解明
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16K21125
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
正木 聡 立命館大学, 薬学部, 助教 (70711977)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スプライシング / 脂肪分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪細胞への分化・成熟過程における選択的スプライシングの経時変化を捉えるため、分化前、分化開始直後、初期、中期、後期、成熟過程の各ステップにおける細胞内のスプライシングパターンを網羅的に解析し、脂肪分化の過程で選択的スプライシングが変動する遺伝子を同定するため、脂肪分化に伴う選択的スプライシング動態変化の解析に取り組んだ。 初手として、分化前、分化開始直後、初期、中期、後期、成熟過程の各ステップの中から、最も脂肪分化への運命決定がなされる初期段階までのプロセスに焦点を当て、細胞内のスプライシングパターンを網羅的に解析した。その得られたスプライシングアイソフォームの変動パターンを20のクラスターに分類し、網羅的解析から脂肪分化に伴う選択的スプライシングを捉えることができた。変動パターンをクラスター分類することで、特定のスプライシングアイソフォームの発現が、分化に伴って上昇するものか、減少するものか、さらに、上昇した後に減少するものなのか等、様々なパターンから抽出することが可能となった。現在、スプライシングの変動と協調して発現変化するRNA結合タンパク質の同定を試みており、その解析結果をスプライシングパターンの変動と照合することにより、分化プロセスに付随するスプライシング変化、及び、それらのスプライシング反応を制御するRNA結合タンパク質を中心とした脂肪分化制御機構の解明に大きく迫れると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的達成の律速段階となるのは、脂肪分化に伴う選択的スプライシングの変動パターンを捉えることであるが、これについては、上述したように20パターンの群に分類してクリアに得ることができた。これを起点に、計画に従って、種々の解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪分化に伴う選択的スプライシングの変動を捉えることができたので、それらの変動と協調して発現変化するRNA結合タンパク質とスプライシングの関連性について検証する。また、それらの知見をもとに、スプライシングの変化が脂肪分化を成立させる必須の現象であることを検証したい。
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Causes of Carryover |
物品購入に際し、キャンペーン期間での購入や、相見積もりを取るなど、節約して予算執行することを心がけた結果、若干の繰越し金が出現した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品・物品購入に充当する。
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