2016 Fiscal Year Research-status Report
生体適合電極シートを有するパッチ式ワイヤレス脳波計測システム
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16K21141
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉本 秀輔 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80755463)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有機トランジスタ / 生体信号増幅 / ノイズ低減 / 脳波 / 無線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,伸縮性を持つストレッチャブル電極シート及びフレキシブル有機アンプの回路設計・マスク設計を実施し,100倍の増幅率を有する薄膜生体信号アンプを作成した.また,作成した電極・アンプ・ワイヤレス無線モジュールを用いて脳波計測を行った所,リラックス時に検出されるα波の検出が確認出来た. また,有機アンプを1枚のシートに8個搭載した,多チャネル有機アンプシートの設計と開発を行った.開発したシート型8チャネル有機アンプは,Pseudo-CMOSインバータと呼ばれる構成をとっており,他のインバータ構成に比べて高いゲインを有することが知られている.本研究では,AlOxと呼ばれる絶縁膜構造と,SAM構造と呼ばれる高移動度を達成可能な構造を取ることで,更に高いゲインと良好な周波数特性を有するアンプ構造を達成することが出来た. 有機アンプの設計においては,これまで目視でのチェックしか実現出来ていなかったが,新しくデザインルールチェック(DRC)・論理チェック(LVS)といった機能を新しく開発し,設計自動化を行った.本設計ツールを用いることにより,これまで目視では確認出来なかった人的エラーを削減することが可能となり,実際の設計でも活用することが出来た. また,脳波アプリケーションに応用するため,ソフトウェアのインタフェース改善を行った.本研究で用いるアプリケーションは,医学部や臨床での応用を念頭において,市販のツールに含まれる周波数解析やフィルタ処理などの機能を実装し,また臨床用途に耐えうるよう,リアルタイムにイベントログの記録が可能な機能を追加した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初のスケジュールにあった,「配線形成」「有機アンプ試作」「無線モジュール試作」「アンプアレイ化設計」「脳波計測実験」の項目全てを達成した. また,国際学会にてオーラル発表を行い,現在論文誌への投稿準備を行っており,研究成果報告の準備についても順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,当初の計画通り,脳波表示ソフトウェアや電極シートとの統合技術開発を進め,医学部での臨床実験の計画を進める.有機アンプの性能を向上させる回路構造や,各要素回路の性能改善の検討についても随時検討を行う.
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