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2016 Fiscal Year Research-status Report

可視化メタゲノム解析法の開発

Research Project

Project/Area Number 16K21144
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

按田 瑞恵  大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員(常勤) (60759455)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
KeywordsFACS / FISH / 全ゲノム増幅 / phi29 DNAポリメラーゼ / 次世代シークエンサー / 微量DNA
Outline of Annual Research Achievements

近年急速に発達している次世代シークエンス技術とともに、メタゲノム解析による微生物探索があらゆる環境で行われている。これらの解析結果の多くは生物学的な性状解析や形態学的特徴が調べられることなく登録され、新規微生物の探索が実質困難になっている現状がある。本研究課題では、微生物叢を構成する個々の微生物の探索にFluorescence Activated Cell Sorting (FACS)や蛍光顕微鏡観察を駆使して、標的微生物を可視化、分取し、増幅した核酸を次世代シークエンサーで解析する方法論の構築を目指している。
本年度はまず、FISH-FACSによる標的集団の可視化及びセルソーティング法を構築するため、2種の非病原性細菌を用いたFACSの条件検討を行った。具体的には、腸内細菌叢で優先することの知られる2種の非病原性細菌(一方をFISH法で染色、もう一方を無染色)の混合物を2種のFACS(開放系及び閉鎖系流路)を用いて分取し、特異的なプライマーを用いたqPCRで分取率を調べた。その結果、開放系FACSでは99%以上の精度で濃縮できたが、閉鎖系FACSでは無染色の株も分取されてしまい、濃縮できなかった。続いて、FISHで染色した腸管液からの標的細菌の分取を試みたところ、両FACSで同等の分取率であったことから、開放系FACSによる分取条件を設定できた。なお、閉鎖系FACSで分取できなかった理由として、FISHによる蛍光輝度が低く、用いた閉鎖系FACSの検出器では標的細菌由来の微弱な蛍光を検出することができないことが考えられたため、より蛍光輝度の高いCARD-FISHの導入を試みている。また、閉鎖系FACSの系を構築できない場合に備え、免疫磁気分離法の導入も進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

FISH-FACSを用いて標的細菌を高精度で分取する実験系を確立することが今年度の課題であったが、開放系FACSを用いた場合にはこれを解決することができた。また、本研究課題を達成するための個々の技術(標的細菌の可視化法、FACSによる分取法、全ゲノム増幅法、次世代シークエンサーによるデータ取得と解析法)を導入することができたので、概ね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

第二・第三世代シークエンサーを用いて、全ゲノム増幅産物から高精度にゲノムを構築する方法論を確立する。Phi29による全ゲノム増幅産物由来リードにはキメラが含まれることが知られており、第一・第二世代シークエンサーならばキメラ問題が評価され、これに対応したde novo assembly法が充実している。一方で、第三世代に関しては評価やアセンブラーの検討が十分になされていない。第三世代の生成するロングリードを有効に使うことができれば標的細菌から高精度なゲノムを構築できると考えられるため、この課題を重点的に進める。具体的には、ゲノムが既知の細菌から全ゲノム増幅産物を得て、第二・第三世代シークエンサーでシークエンスを行い、キメラリードの割合や各種アセンブラーによるゲノム構築結果への影響を評価する。
また、並行して、構築した実験系を用いて、ボランティアサンプルからの標的細菌の分取とゲノム構築を実施する予定である。

Causes of Carryover

当初の研究計画を見直したため、未執行額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度以降の予算と併せて物品の購入に充てる。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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