2016 Fiscal Year Research-status Report
ICTを活用したデータマネジメント業務の標準化・効率化モデル構築
Project/Area Number |
16K21151
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神宮司 希和子 大阪大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (70772820)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 臨床研究 / データマネジメント / CDISC / 効率化 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床研究や医師主導治験におけるデータの品質を確保うえで、データマネジメント業務は不可欠である。一方で、医療機関に配置されているデータマネージャーは不足しており、業務手順が体系化できていない医療機関も少なくない。そこで、限られた人材でデータの品質を保ちつつ、より多くの試験を支援するために、業務手順の標準化およびIT技術を用いた業務の効率化を目標に、本年度は下記を実施した。 まず、問題点の把握・現状分析として、(1)データマネジメント業務における現在の課題を明確化し、(2)業務手順の標準化・効率化に向け国際標準CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)の導入促進を行った。具体的に、(1)では、現状分析で洗い出された問題点のうち、有害事象のコード化(以下、コーディング)について、コーディング機能を備えていないEDC/CDMSを用いている試験のコーディング作業の効率化を目的とし、コーディング支援ツールの開発を行った。これまで、4試験でこのツールを用いたコーディングを実施し、作業効率の向上を確認することできた。また、現在は、これらの実績を通して、開発したツールの信頼性・利便性を高めるため、改良を重ねている。 (2)の国際標準CDISCの導入促進に関しては、CDISC-likeではあるが、現在2試験への導入を進めているとともに、並行して症例報告書の標準化も進めている。また、一部ドメインに対してEDC等から出力したRawデータから申請データの標準であるSDTMデータセットの作成も準備を進めている。これらについては、当初の計画どおり次年度も継続して行うこととしており、成果については次年度以降に報告する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初予定していたデータマネジメント業務における現在の課題を明確化し、コーディング作業の効率を向上させることができた。また、業務手順の標準化・効率化に向け国際標準CDISCの導入も進めることができていることから、おおむね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
H29年度は、当初予定していたように、H28年度の現状分析の結果を踏まえ、コーディング支援ツールのほかにもIT技術を用いた業務効率化のためのツール開発を実施するとともに、引き続き業務手順の標準化・効率化に向け国際標準CDISCの導入を進めていく計画である。
|
Causes of Carryover |
当初購入を計画していたソフトウェアが無償で利用できることになり、その購入費が不要となったため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は新たなツール開発のための経費が必要となるため、それらの費用に充当する予定である。
|