2016 Fiscal Year Research-status Report
エージェントシミュレーションを活用した病院外来部の混雑緩和対策の効果評価
Project/Area Number |
16K21152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古島 大資 大阪大学, 医学部附属病院, 特任研究員(常勤) (90615238)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 病院外来部 / 混雑緩和 / 業務効率化 / エージェントシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、病院外来部における混雑の実態を明らかにし、様々な混雑対策の効果をシミュレーションモデルにより予測評価し、混雑緩和に最適な戦略を提言することである。 外来受診患者の増加により、病院外来部では慢性的な混雑状態が起こり、患者の衝突・転倒事故のリスク、効率的な診察の妨げ、緊急時の避難の遅れ等の問題が指摘されており、混雑対策の検討は重要な課題である。 本研究の初年度目標は、病院外来部における混雑の実態を定量的に評価することであった。初年度は、研究協力医療機関と協議し、医療関係者や患者への負担や業務への影響を考慮し、併設する調剤薬局の待合エリアを調査対象とし、大阪大学医学部附属病院研究倫理審査委員会の審査を経て調査を実施した。調査は、予備調査を1日及び本調査を5日間実施し、調査期間中全員(673人分)の来所状況に関するデータを収集した。また、ビデオモニタリングによる患者動態の測定は患者プライバシーの観点から実現が難しく、代替案として測域センサーを使用した患者の位置座標や入退人数のカウントを行い、本研究で必要なデータを収集した。 調査の結果、混雑が集中する時間帯が11時前後と14時前後に発生し、平均滞在時間(待ち時間)は12.3分(最大待ち時間52分)であることが分かった。特に高齢患者や薬剤の一包化を処方された患者においては、長時間化する傾向がみられた。 今後は、収集データを解析し、混雑要因を推定するとともに、調査データに基づきシミュレーションモデルの構築し、有効な緩和策の検討・提案を目指していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画における平成28年度の計画に沿って、実態調査を実施し、解析可能なデータを収集することができため。ただし、患者が最も滞留する病院外来部を対象に調査が今後追加で可能か現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画における平成29年度の計画に沿って、シミュレーションモデルを構築し、混雑緩和策や業務効率化について評価を実施する。シミュレーションモデルは、実態調査の解析結果に基づき構築し、さらにモデルの妥当性検証等を実施し、汎用性の高いモデル構築を目指す。なお、これらの成果については、論文化や学会等で公表していく予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度に投稿した論文掲載に関する費用が、掲載決定後に支払うため、支出予定が平成29年度となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文の掲載が決定次第、支出予定である。
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