2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K21180
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
今出 真司 島根大学, 医学部, 助教 (10581077)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プラズマ滅菌条件 / 骨形成用複合加工機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主としてプラズマ発生器を搭載する骨加工装置の作製を行った。当初株式会社ナノ(横浜市)製の機器を使用する予定であったが、切削速度や汎用性といった技術的問題、及び地理的条件など諸所の要件を勘案し、ヒカワ精工株式会社(出雲市)と新たな連携を模索することにした。同社および系列企業へ新規複合加工機の開発作製を発注し、その試作機が完成する(H29年2月完成)に至った。今後同社および島根県産業技術センターと共同研究契約を締結し実臨床に対応する仕様へ改良を行う予定である。 機械開発中は滅菌実験を行うためのプラズマ条件検索を行った。プラズマインジケータ(サクラクレパス社製)を使用し、ラジカルを有し、かつタンパクが失活しない条件を調査した。その結果からガスはアルゴン2L/minを基本とし酸素200mL/minを混合、ノズルから被曝露物までの距離を15mm、曝露時間15秒を採用した。また同条件下に予備実験を行った。寒天培地に大腸菌(K-12株)を塗布後、中央にプラズマを曝露し24時間培養を行った。結果、曝露部を中心にコロニー数が減少していた。従ってプラズマガスは低温短時間曝露でも滅菌作用を有することが示唆された。混合ガス種、曝露距離および時間を可変とした研究を今後予定している。 本研究の趣旨は同骨加工機に対するプラズマ応用であるため、その機器作成に時間を要したことから、年初計画で予定に遅れを生じている。一方で待機時間中に上述の結果を踏まえ実験プロトコルを作製しているので、「骨加工処理中に滅菌処理を行うための至適なプラズマ条件」に関し今後速やかな実験の遂行が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の通り、骨形成用複合加工機作製に時間を割いたため、同機搭載を予定しているプラズマの実験はそれに伴いずれ込んでいる。一方で本年中に実験計画立案を行ったので、来年度早々に遅れをとり戻し、予定期間内に実験を完了できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
加工機本体の開発について、共同研究体制が出来上がり試作機も完成しているので、実臨床に対応する仕様へ適宜改良を行い、その過程で必要となる諸実験を遂行していく。 プラズマ滅菌の条件は概ね固まったので、最大の効果が発揮できる条件への絞込みを行う。また、加工機への搭載について、設計開発を行う。
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Causes of Carryover |
複合加工機開発に時間を割き、プラズマ応用への研究に遅れを生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の仕事により、試作ではあるが加工機が完成し、プラズマ条件設定も完了した。来年度は加速度を持ってプラズマ搭載に関する研究を行う。搭載装置開発やプラズマ効果判定実験など、比較的費用を要する研究を行う予定であり、そこへ予算を投じる。
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