2016 Fiscal Year Research-status Report
現代中国農村女性の政治参加の実態とその社会関係・社会連帯に関する文化人類学的研究
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16K21200
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
緒方 宏海 香川大学, 経済学部, 准教授 (10750044)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 村民自治 / 農村女性 / 政治参加 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中国社会や共産党が農村女性の政治参加にどのように対応したかについて明らかにするとともに女性の政治参加の実態と政治参加に影響を及ぼす社会関係、社会的連帯の要因を解明することである。 従来の研究では、農村において社会的・ 文化的に構築された男性優位の性別秩序のなかで生きる女性という構図のなかで女性の政治参加を捉えていた。ここから抜け出して、農村女性の社会関係的要因などが政治参加に与える影響について未着手であった。本研究はまだ解明されていない中国農村女性の政治参加の実態を研究し、人類学の視点から女性の政治参加について新たな理論開拓を行う。 2016年度の研究は実態調査が中心である。福建省と山東省の二つの村落内で行われた村民委員会選挙の女性の投票行動を分析した。参与観察では、女性が民主主義型政治参加の範囲内で、社会関係、社会連帯をどのように考量し、どのように行動するのかを検討した。 また女性が村民委員会に対する評価についてもアンケート調査を実施した。具体的には、各村100名の女性を対象にして構造化調査票を用いて、「自分は村民委員会のすることに対してそれを左右する力はないという意見に対してあなたはどう思いますか」などの質問を行った。同時に本研究が扱う村の調査結果から政治参加について肯定的と否定的な考えを持つ女性を分類し、その属性及び家族・親族あるいは婦人会などの属する組織・グループについても調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に行う実態調査は、概ね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、調査対象村落を増やすと同時に、関連する事例を収集し村落間の比較研究を行う。
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Causes of Carryover |
2016年度に実施する予定であった一つの村落における現地調査を2017年度に変更したため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度には現地調査を行う村落を増やすとともに、村の選挙調査の一部を研究協力者に依頼することを計画している。
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