2018 Fiscal Year Annual Research Report
The protective mechanism of an anti-nucleocapsid protein monoclonal antibody against influenza virus infections.
Project/Area Number |
16K21214
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤本 佳万 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (20613631)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / トランスジェニックマウス / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗ヌクレオカプシド蛋白質(NP)抗体によるインフルエンザウイルス感染防御メカニズムの解明を目的として本研究を実施した。これまでの研究において得られた抗NPモノクローナル抗体は、様々な亜型のインフルエンザウイルスに対する感染防御効果をマウスに付与する一方、ウイルス中和活性を示さないことから、その防御メカニズムは抗体依存性細胞障害活性もしくは補体依存性細胞障害活性であることが予想された。そこで、抗体依存性細胞障害活性および補体依存性細胞障害活性に重要である領域に変異を入れたイムノグロブリン(IgG)遺伝子を導入したトランスジェニックマウス系統の樹立を試みた。その結果、抗体依存性細胞障害活性を欠損したIgG抗体を発現するマウス系統を2系統樹立することに成功した。これらトランスジェニックマウスの血清中には、様々な亜型インフルエンザウイルスのヌクレオカプシド蛋白質と結合する抗体が恒常的に発現することを確認した。インフルエンザウイルス感染実験を実施した結果、本研究で作製した抗体依存性細胞障害活性欠損モノクローナル抗体を発現するトランスジェニックマウスは、インタクトな抗NPモノクローナル抗体を発現するトランスジェニックマウスと同様に非常に高い感染抵抗性を示した。以上の結果から、本研究に用いた抗NPモノクローナル抗体は、抗体依存性細胞障害活性以外のメカニズムでウイルスに対する感染防御効果をマウスに付与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)