2017 Fiscal Year Research-status Report
GagCESTイメージングを用いた膝関節軟骨変性の評価
Project/Area Number |
16K21223
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 達弘 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (60444832)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に引き続きグリコサミノグリカンのファントム(コンドロイチン硫酸A)を用いて実験を行った。初年度はB0補正が十分でなかった。これを改善するためにファントムの形状を大きくした。この事により、ファントム内でのB0不均一が解消され、濃度を反映したgagCESTイメージングを得ることができたため、健常者への応用を試みた。 健常者を対象に撮像パラメータをsingle-shot TSEおよびmulit-shot TSEの両者で撮像した。Multi-shotを使用することでz-spectrumを作成するための画像の数が減ったが、single-shotとほど同様なz-soectrumを作成することができた。Single-shot TSEでは膝関節のgagCESTイメージングを得ることができなかったが、multi-shot TSEを用いることでgagCESTイメージングを得ることができた。これは、膝関節のT2値が約50 ms程度と短いため、single-shot TSEでは信号が減衰してしまい、計算に使用する元画像の膝関節領域において十分な信号を得ることができなったことが原因と考えられる。 また、健常者において飽和パルスの印加時間を0.5、1.0、1.5、2.0秒と変化させてMTRasymを計算したところ、1.0秒が最もMTRasymが大きくなった。この原因として、飽和パルスの印加時間が1.0秒よりも短い場合はCEST効果が弱くなるため、MTRasymが低下したと考える。また、飽和パルスの印加時間が1.0秒よりも長い場合、z-spectrumが広がることが判明した。これは、直接水抑制やMT効果が大きくなったことを示しており、これに伴いMTRasymが低下したと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファントムの実験においてグリコサミノグリカンの濃度を反映したgagCESTイメージングのシーケンスを作成することができた。また、それを改良し、人体用のgagCESTイメージングのシーケンスを構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
MRIにおける膝関節の定量評価として、現状で最も広く使用されているT2 mapとgagCESTイメージンの関係性について評価を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 初年度に購入したファントムなどを継続して使用したため残金が生じた。 (使用計画) データを蓄積してさらなる解析を行い、学会発表を行う。また、論文投稿を目指す。
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