2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K21232
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| Research Institution | Nagasaki University |
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Principal Investigator |
高橋 浩二 長崎大学, 教育学部, 准教授 (20568224)
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2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 実践の中の知 / 運動実践 / 身体教育 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，「実践の中の知」の獲得を目指した身体教育の可能性を提示することである。本研究では，運動実践者における「実践」の様態を明示し，「情報」としての実践を「知」としての実践へと変容できる身体教育の可能性を提示する。それは，学習者の身体に「知」としての実践が構造化され，彼らの身体に「最適性」が存在することを自覚できるような教育である。
本年度は，「実践」概念を構造化するために，哲学，美学，工学領域の文献を参照しながら，それらの根拠を検討した。その検討を背景に，身体教育学分野の研究者や学校教員との討議を実施し，実践の現実的側面を提出しようと試みた。その結果，実践のための根拠及び目的の設定について検討する必要が生じた。そのため，現在の学校体育の目標である「生涯スポーツ」に関して，日本体育学会平成28年度体育哲学専門領域夏期合宿研究会において，「「生涯スポーツ」は学校体育の目標となり得るのか？」（単独）として発表した。それは，企画者として携わっている日本体育学会体育哲学専門領域シンポジウムA「生涯スポーツ（論）と学校体育（2年目：生涯スポーツにつながる学校体育のありかた）」における企画にも生かされた。さらに，同様に企画者として携わっている日本体育・スポーツ哲学会第38回大会シンポジウム「実践からの体育・スポーツ哲学の再検討２年目「身体が育つ」ための知の諸相―実践からの哲学が何を明らかにし得るか」における企画にも生かされた。
また，台北海洋技術学院において開催された2016國際運動哲學學術研討會において，「The “knowing in practice” and human body in movement practice: For the philosophy of human body and movement practice」（単独）として発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は，「実践」概念を構造化するために，次の研究計画を立てた。①実践の様相についての文献研究を進める。②身体教育学分野及び学校教員との討議から実践観を抽出する。③それについて発表する。
①については，哲学・美学・教育学等の文献を用い，それぞれについて批判的検討を進めている段階である。②については，身体教育学分野の研究者及び学校現場の教育者と討議を進め，彼らから共通した実践観を抽出し，実践の概念化についての考察を進めている。その一つの成果を発表した。それが，日本体育学会平成28年度体育哲学専門領域夏期合宿研究会において発表した「「生涯スポーツ」は学校体育の目標となり得るのか？」（単独）である。
また，台北海洋技術学院において開催された2016國際運動哲學學術研討會において，「The "knowing in practice" and human body in movement practice: For the philosophy of human body and movement practice」（単独）として発表した結果．国外の研究者と実践（practice）について討議する機会を得た。その結果，文化的背景による実践についての差異についても検討する必要が生じた。③については，関連する２つの企画（日本体育学会体育哲学専門領域シンポジウムA「生涯スポーツ（論）と学校体育（2年目：生涯スポーツにつながる学校体育のありかた）」及び日本体育・スポーツ哲学会第38回大会シンポジウム「実践からの体育・スポーツ哲学の再検討２年目「身体が育つ」ための知の諸相―実践からの哲学が何を明らかにし得るか」）において企画者及び提案者として発表や討議をまとめた。
以上から，本年度の計画はほぼ達成されたと判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は，平成28年度の考察を基に，「実践」の構造化について考察を続ける。さらに構造化した「実践」を「体育実践」及び「運動実践」へ適用する。これらの実践は「情報」としての実践から「知」としての実践へと変容することになるだろう。さらに，「実践の中の知」の様態を明らかにするために，体育・スポーツ哲学，スポーツ運動学，体育科教育学等の関連する研究領域から「実践知」及び「身体知」を検討し，体育学独自の「実践の中の知」を特徴づける。その一つを「運動実践における「ナヴィゲーション能力」と捉え，本研究における「実践の中の知」の具体性を提示する。それは，「身体の最適性」に基づいた知となるであろう。なお，前年度に引き続き身体教育学及びスポーツ科学分野の研究者や学校現場の教育者と討議を実施し，本研究における「実践」をより精密な概念とすべく，研究を進める。
本研究の成果は，第45回国際スポーツ哲学会（カナダ・ランガラ大学大学開催）において，「The ability of "navigation" in human movement practice」というテーマで発表し，意見交換をおこなう予定である。その結果から研究をさらに進め，[実践の中の知」の一つとして重要な「ナヴィゲーション能力」ついて学術雑誌に原著論文として投稿する予定である。
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| Causes of Carryover |
書籍購入を予定し，書店を通じて在庫を確認していたところ，その時間が予想以上にかかり，年度内に執行できなかったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
在庫の確認が済んだため，購入を予定していた書籍を購入する。
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Research Products
(4 results)
