2016 Fiscal Year Research-status Report
高周波帯域を含む衝撃加速度における宇宙構造材の衝撃減衰特性評価
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16K21239
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
波多 英寛 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (30381007)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 衝撃応答スペクトル / 衝撃試験 / 衝撃伝播 / 人工衛星 / ロケット / 航空宇宙工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高周波帯域の振動減衰を含む衝撃加速度が材料中において減衰する現象について,レーザー干渉振動計における計測方法の確立を行うことを目的とし,板材料に対して簡易式衝撃試験機を用いた衝撃試験を実施し,加速度センサおよびレーザー干渉振動計による計測方法の確認試験を実施した.その結果,アルミ板では高周波帯域まで計測した加速度センサおよびレーザー干渉振動計による計測の結果には差は確認されなかった.そのため,加速度センサが固定できない構造(アルミスキンアルミハニカム)等においては,レーザー干渉振動計を用いれば衝撃加速度の計測ができることを確認した. また,アルミ板試験板ならびにアルミスキンアルミハニカム試験板について簡易式衝撃試験装置を用いた衝撃試験を実施し,衝撃加速度信号に含まれる各周波数信号と衝撃応答スペクトルを比較し,減衰特性について検討を行った.その結果,10kHzの間に多くの信号が複雑に見られたため,衝撃応答スペクトルを計算した結果では,距離減衰・構造による差は明確には見られなかった.これは板材の境界における剛性が低かったためと考えられる.尚,距離に応じて通過するエネルギについては,減衰傾向であることを確認した.距離における剛性が影響が少ない円柱形状の試験片について簡易式衝撃試験を実施した結果,距離減衰を確認することができ,減衰モデルの作成を行った. 以上の結果より,加速度センサを固定できない場所においての衝撃加速度計測を実施することが可能となった.また,材料中における衝撃減衰効果および板形状の衝撃試験に関する知見が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
レーザー干渉振動計を用いた計測技術の確認を行い加速度センサとの比較および加速度センサが固定できないような物に対する計測を実施し有効性を確認した.また,板材を用いた衝撃試験では,10kHzまでの周波数帯域において多くの信号が複雑に現れ,距離・構造に対して衝撃応答スペクトルの減衰特性が明確にはわからなかったが,エネルギの減衰率を検討した結果,減衰モデルを作成することができた.また,板材として,アルミ薄板およびアルミスキンアルミハニカムの試験を実施することができた.尚,衝撃応答スペクトルにて評価ができなかった原因として,境界条件の剛性の影響が考えられる.そのため,剛性の高い円柱での衝撃試験を実施し,衝撃応答スペクトルの距離減衰モデルを得ることができている.以上,これらの結果より当初の計画以上に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
板形状の境界条件の影響を考慮した治具を作成し,衝撃試験を実施し,伝播特性を検討する.また,面外方向を計測し評価しているが,可能であれば面内方向の計測を実施する予定である.板としては,CFRPアルミハニカムを用い,衝撃試験を実施する.また,継ぎ手による伝播の影響を検討する実験を実施し,減衰特性をあきらかにすることを目指す. これらの結果より,衝撃伝播における減衰モデルを作成する予定である.
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