2017 Fiscal Year Annual Research Report
FGF regulation of Nodal signaling in human iPS cells
Project/Area Number |
16K21243
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
脇谷 晶一 宮崎大学, 農学部, 講師 (40621800)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多能性幹細胞 / FGF / Cripto / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、フィーダー細胞上のヒトiPS細胞にFGFR阻害剤を暴露するとNodal/Activinシグナルを阻害する液性因子の遺伝子発現が上昇することを明らかにしたが、無フィーダー条件では反対にLeftyの発現が低下した。この相反はフィーダー細胞由来のアクチビンによると推測し、アクチビンとFGFR阻害剤の併用添加を行ったところ、アクチビン存在下ではFGFR阻害によりLeftyの発現が上昇し、非存在下では低下することが分かった。このアクチビン依存性の発現変動はCriptoの不活性化が原因と考えれられるため、Alk4阻害剤とFGFR阻害剤の併用添加を行ったところ、Alk4阻害下ではFGFR阻害による相加的なLeftyの低下は起こらず、FGFR阻害によるLeftyの発現変動はNodalシグナルの変調を介することが明らかになった。FGFはヒト多能性幹細胞のCriptoの遺伝子発現に関与することが報告されていたが、本研究ではFGFR阻害によるLeftyの低下はCriptoの低下より約半日先行していた。よって、FGFはCriptoの転写ではなく、転写後調節を介してCriptoタンパク質の活性化を維持していることが示唆された。 また、DNAメチル化によるCriptoの発現制御を明らかにするため、ヒトセミノーマ由来細胞株TCam-2にDNAメチル化阻害剤を暴露したところ、Criptoの発現上昇が認められた。よって、Criptoの遺伝子発現はDNAメチル化によって抑制されることが明らかになった。次にヒトiPS細胞を分化誘導し、7日後のCriptoプロモーターのDNAメチル化状態を確認したが、低メチル化状態のままであった。同様の実験でCripto遺伝子の発現低下が認められたことから、ヒト多能性幹細胞が分化する過程でのCriptoの発現消失はDNAメチル化が直接的な理由ではないと考えられる。
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Research Products
(3 results)