2017 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者の在宅療養移行を促進する要因 ライフステージに応じた支援への示唆
Project/Area Number |
16K21254
|
Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
柳谷 利恵 宮城大学, 看護学群(部), 助教 (40461701)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | がん患者 / 終末期 / 在宅療養移行 / 訪問看護 / 退院調整 / がん看護 / 地域連携 / チーム医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の検討の結果、終末期がん患者の在宅療養への移行を実現するということに多くの要因が関係していることが考えられ、これまで研究対象者として考えていた「病院看護師」と「訪問看護師」、2017(平成29)年度の対象の在宅療養に携わる医師への調査は、研究目的と一致しないのではないかと考えるようになった。その為、 2017(平成29)年度は、研究目的と方法や対象を再検討することが主であった。検討した点のいくつかを次に挙げる。 まず、遺伝子がん・家族性がんについて検討し、本研究の対象であるがん患者の約5%である遺伝子がんの患者の場合、遺伝学的検査を経て集学的治療に臨むか否か多くの選択と意思決定があること、それに伴う看護の役割について示唆を得て検討の必要性があると考えた。また、治療の多様性や精密度が高まり、在宅療養を行いながらの外来治療が実現することが予測され、どのような治療をどうのように選択していくか、がん患者のより一層の個別的な多様な医療看護について検討が必要であると考えた。さらに、医療経営学から、厚生労働省の方針やそれに伴う各県の地域医療構想、各医療圏での病院の生き残りをかけた編成について、収支データ等をもとに検討する方法を知った。それらから、がんの発見、自覚症状を有してから受診まで、診断のための検査を受ける時期や、積極的治療を受け、終末期を迎えるまでの経過を辿る患者・家族が、機能分化された中で寸断されないシステムで患者・家族中心のケアがどのように提供されるのか阻害因子となることはあるのかなど考慮する必要性があると示唆を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
終末期がん患者の在宅療養への移行を実現するということに多くの要因が関係していることが考えられ、その再検討をしている。上記の遺伝性がん、家族性がん、最新の集学的治療、医療経営学の視点に加えゲノム解析や生命倫理についても検討した。また、実際に終末期がん患者の在宅療養への移行に携わっている医師や看護師の実践の場へ行き示唆を得ていたためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
2014(平成26)~2015(平成27)年度にかけて取り組んだ研究結果の「終末期がん患者の在宅療養移行を実現可能とする要因」について、2017年度3月から再検討している。その方法は、これまでの結果の再分析である。研究エフォートの見直しができるように所属研究機関の責任者へ相談する。
|
Causes of Carryover |
(理由)研究を推進する上で重要な、がん専門看護師や病院看護師や訪問看護師、がん看護分野が専門の研究者から研究のスーパーバイズを受ける機会を、研究初年度である2016年度に半年間得ることができなかったため2017年度使用額が生じた。2017年度はスーパーバイズを受ける機会を得ることができたと考えるが、年度後半の研究におけるエフォートが明らかに予定より下回っており、所属研究機関の責任者とその点について相談していく方針である。 (使用計画)予定している関連学会での知見の収集や参加に加え、がん看護分野が専門の研究者から研究のスーパーバイズを受ける機会を確保するよう調整していく。
|