2017 Fiscal Year Research-status Report
放射線被ばくによる子どもを持つことへのセルフスティグマの形成・軽減・影響の検討
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16K21256
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 慎也 北里大学, 看護学部, 講師 (30736707)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線 / 妊娠出産 / 態度 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原子力発電所の事故以降、妊産婦の放射線被ばくへの不安が強い。将来、子どもを持ちたいと考える者が、放射線被ばくに対する偏見・差別(スティグマ)に曝されることで、自身へのセルフスティグマを抱き、精神健康に負の影響を及ぼすことが予想される。将来子どもを持つことについて、放射線被ばくに関連したセルフスティグマ(男性を含む)の①形成要因、②軽減要因、③セルフスティグマが及ぼす影響を検討することを目的とした。 研究2年目は、セルフスティグマに関する文献レビューと専門家へのインタビュー調査の結果について、専門家間で議論を行い質問紙調査票の作成を行った。セルフスティグマの形成要因と軽減要因としては、研究者等が作成した放射線被ばくによる妊娠出産・育児に対する態度尺度(Fukushima Future Parents Attitude Measure:FPAM尺度)、放射線の健康影響についての認識尺度、放射線に関する知識の有無、放射線について相談できる人の有無、東日本大震災発生時の居住していた都道府県等を評価することとした。FPAM尺度は、放射線被ばくによる将来の妊娠出産と育児に対するイメージを6項目(短縮版は2項目)で評価する尺度である。セルフスティグマが及ぼす影響要因は、自尊感情尺度、QOL尺度、抑うつ尺度、援助要請尺度、将来妊娠と出産を考えているか等を評価することとした。 現在は、質問紙調査の対象施設の担当者等と調査実施に関する打ち合わせが完了しており、質問紙の実施準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙調査に含める「放射線被ばくによる妊娠出産・育児に対する態度尺度」を研究者等が作成したが、予想以上に学術雑誌への掲載までに時間がかかってしまい、質問紙調査の実施までに時間がかかってしまった。上記尺度が学術雑誌に掲載されたので、質問紙調査の実施に移る。
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Strategy for Future Research Activity |
福島県施設での質問紙調査、データの解析、得られた成果の英文誌への投稿をおこなう。加えて、調査結果を調査対象施設にフィードバックするとともに、有効なプログラム立案およびパンフレット作成を行う。
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Causes of Carryover |
質問紙調査に含める「放射線被ばくによる妊娠出産・育児に対する態度尺度」を研究者等が作成したが、予想以上に学術雑誌への掲載までに時間がかかってしまい、質問紙調査の実施時期が次年度にずれた。そのため、質問紙調査の実施にかかる費用が未使用となってしまった。 上記尺度が学術雑誌に掲載されたので、質問紙調査の実施、英語論文作成に伴う英文校正、学術雑誌への投稿、調査結果のフィードバックに研究費を使用する。
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