2022 Fiscal Year Research-status Report
e-learningおよびピアサポートを活用した周産期看護職の教育プログラムの開発
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16K21259
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
浅井 宏美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40511126)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 周産期看護 / 新生児看護 / 小児看護学 / ファミリーセンタードケア / 生涯発達看護学 / 看護教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、家族中心のケア(Family-Centered Care;以下,FCC)の理念・概念に関する知識や実践スキルの習得・モチベーション向上のため、周産期医療に従事する看護職対象の教育プログラムの開発である。 2020年度までにプログラム作成に必要な知見の情報収集、研究メンバー共に内容の検討を重ね、2021年度に教育プログラム名称:『NICU・周産期領域の看護職ためのファミリーセンタードケア実践セミナー~こどもと家族に寄り添うために~』を開発・実施した。2021年度は、全国の周産期母子医療センターに案内チラシ等を送付したが、COVID-19感染拡大状況、所要時間や参加費用等の課題があり、研究対象者(受講者)数を十分に確保できなかった。2022年度、プログラム内容を見直し、グループワークも含めて1回あたり2時間のプログラムに凝縮し、1回につき50名の定員枠を設けて3回開催した結果、全ての回で定員数以上の参加申込があり、計約120名の研究対象者が得られた。プログラム実施後の無記名事後アンケートにて評価した結果、9割程度の参加者が、企画内容についてとてもまたは概ね満足と回答、9割以上が今後の看護実践に活かせると思うと回答していた。また、自由記載欄では、講義に関する意見として、「FCCの概念や影響を与える要因、他施設の取り組みについて知ることができて有意義だった」「海外での先進的な取り組みを知り、少しでも家族に寄り添い、家族と医療者が一緒に新生児を育んでいけるよう自分もできることを今日から実践していきたい」など、肯定的な評価が多かった。グループワークに関する意見としては、「他施設の看護師と交流することができ、情報共有や様々な意見交換できとても有意義だった」「より良い実践をしたいというモチベーションにつながった」といった評価があり、他施設の看護職との情報共有やピアサポートが今後の看護実践に向けて有益であったことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度から2021年度にかけては、COVID-19感染拡大により、教育プログラム作成に必要な専門職や病児の家族などへのヒアリングや情報収集が困難な状況となり、かつ、研究者の所属大学の学部臨地実習が受け入れ不可となり、代替教育となる学内演習や遠隔演習などへの授業計画の変更対応などで予定していた通りの研究時間を確保できなかった。しかしながら、2022年度からは、対面でのプログラムにこだわらず、全国の周産期母子医療センターに勤務する看護職を対象とした遠隔開催でのプログラムとして、プログラム内容全体を見直し、短時間のプログラムを複数回するといった工夫により、想定していた程度の対象者(参加者)数の確保、事後アンケートによるデータ収集・プログラム評価が実施できたため、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラム実施後の事後アンケートでの全体的な評価としては、9割程度の参加者が、企画内容について「とても満足」または「概ね満足」と回答、9割以上が今後の看護実践に活かせると思うと回答していた。また、自由記載欄でのグループワークに関する意見としても情報共有や様々な意見交換できて有意義だった、より良い実践をしたいというモチベーションにつながったといった評価があり、他施設の看護職との情報共有やピアサポートが今後の看護実践に向けて有益であったことが示唆された。 一方で、グループワークでは、ファシリテーター(講師兼研究者2名)が複数のグループをラウンドする形式をとったが、ワーク中にファシリテートして欲しかったという意見もあったため、ファシリテートの手法も今後の課題としたい。また、同アンケートにおいて、コロナ禍でのNICUにおける家族へのケアに関して困難だったことや課題についても回答を得たため、次年度にそれらの回答データ分析も含めて今後の課題としたい。
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Causes of Carryover |
研究者の育休取得により、2018年度末から2019年度末まで研究を一時中断していたこと、また、2020年度から復帰・研究再開したが、COVID-19感染の影響により、所属機関における研究活動の自粛、研究支援体制の縮小、教育業務の遠隔授業計画への変更対応など様々要因により、研究活動が計画通りに進まず、2020年度~2021年度の研究費の使用額が減少したためである。2022年度は研究プログラムを実施することができ、それ以前よりも研究活動を進めることができた。次年度は2022年度のプログラム評価(事後アンケート内容のデータ分析など)・改善、成果発表を進めてゆきたい。
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Research Products
(8 results)