2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of trunk function for proposing treatment
Project/Area Number |
16K21260
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 恵 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30715941)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 腹横筋 / 骨盤底筋群 / 超音波画像診断装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:腹横筋と骨盤底筋群の共同的機能について解明することで、その機能不全の改善に貢献する。方法:対象若年成人23名を対象とした。過去1年以内に腰痛・骨盤痛・尿失禁により日常生活に支障を来している者は除外した。事前に学内の倫理委員会の承認を受け、対象者に口頭と書面にて説明し同意を得た。計測には超音波画像診断装置2台を同期し手使用した。腹横筋については、リニアプローブを前腋窩線上の臍高位に当て、動画で撮像した。腹横筋内側付着部から2cm外側の位置を測定部位とした。骨盤底筋群については、コンベックスプローブを臍から10cm尾側に当て、動画で撮像した。骨盤底の中心部を測定部位とした。運動課題は背臥位における安静呼気および腹壁の引き込み運動とした。安静呼気または腹壁の引き込み運動に伴い腹横筋が最も深部に引き込まれるまでの所要時間および骨盤底が頭側に引き上げられるまでの所要時間をそれぞれ測定した。左右の腹横筋および腹横筋と骨盤的筋群の比較を、対応のないt検定で行った。加えて、腹横筋の左右非対称率を算出した。いずれも有意水準は5%とした。結語:安静呼気時においては、左右の腹横筋で最大移動までの所要時間には有意な差を認めず、左右非対称率の平均は15.1±11.0%であった。臍の引き込み運動においても、左右の腹横筋で最大移動までの所要時間には有意な差を認めず、左右非対称率の平均は10.8±10.4%であった。腹横筋と骨盤底筋群の比較では右腹横筋と骨盤底筋群で最大移動までの所要時間に有意な差を認めなかった。本研究により、健常者においては、左右の腹横筋や腹横筋と骨盤底筋群の収縮のタイミングに有意な差がないことが明らかになり、共同的に収縮していることが示唆された。今後は、腰痛や腹圧性尿失禁などの体幹機能不全患者を対象とし、適切な評価や治療方法の確立につなげたい。
|