2016 Fiscal Year Research-status Report
高温加熱の影響を受けたコンクリート構造物におけるあと施工アンカーの引抜き耐力
Project/Area Number |
16K21264
|
Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
松沢 晃一 国立研究開発法人建築研究所, 材料研究グループ, 主任研究員 (20534051)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | あと施工アンカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,まず,研究課題に関して適切な実験結果が得られるよう,あと施工アンカー(以下,アンカー)を施工する母材であるコンクリート供試体の寸法および引抜き試験時の拘束条件の影響について検討を行った。内容は以下のとおりである。 一般に多く用いられている強度のコンクリート(呼び強度27)を用いて,高さ120mmの母材を作製した。その際,形状は円柱とし,母材径を100,150,200mmの3水準とし,引抜き試験時に外周面の拘束の有無を検討するために,外周面に用いる型枠を鋼管およびボイド管の2種類とした。そして,材齢8週以降に,母材中心部に直径12mmの金属拡張式アンカーを埋込み深さ60mm(アンカー径の5倍)で施工した。その後,アンカーの引抜き試験を行った。なお,アンカーの引抜き試験時に用いる載荷板の非拘束径は母材径100mmに対しては21,60mm,母材径150mmに対しては21,110mm,また,母材径200mmに対しては21,110,160mmとした。 その結果,施工時において,母材径100mmで外周面の拘束がない場合でアンカー施工時(拡張時)に母材に亀裂が発生した。その他に関してはアンカーの施工を施工し,引抜き試験を行った。本実験条件の範囲では,各供試体で若干のばらつきがあるものの,母材径,外周面の拘束,載荷面非拘束径に関係なく,引抜き強度は25kN程度となった。しかし,破壊形式は,非拘束径が小さいとアンカーの引抜き,大きくなるとコーン状破壊,また,外周面の拘束がなく,母材径が小さいほどコンクリートの割裂破壊となった。 本研究では,コンクリートが加熱されて強度特性が低下することが想定されるため,コンクリートの強度低下とアンカーの引抜き特性との関係が適切に評価できるよう,母材径200mm,外周面拘束あり,引抜き時の非拘束径を160mmとすることとし,母材の作製を終えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は,2016年度に加熱後の,2017年度に加熱中の引抜き試験を実施する予定であったが,試験条件(母材寸法,拘束条件)の決定に時間を要したため,初年度の試験を2017年度に行うこととなった。しかし,その後は順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の申請通り実験は実施し,それと並行して解析を行っていく予定である。
|