2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the developmental risk in preterm birth using noninvasive measurement of brain activity
Project/Area Number |
16K21266
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渕野 裕 首都大学東京, 人文科学研究科, 助教 (30566401)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 早期産児 / 感覚異常 / 近赤外分光法 / ヘモグロビン / 安静時脳活動 / 極低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,早期産児の発達初期における感覚刺激への異常な反応(感覚過敏・感覚鈍麻)と後の発達リスクとの関連性を明らかにすることである。 修正満期から生後6ヶ月時点までの早期産児と満期産児を対象とし,乳幼児感覚プロファイル(Infant/Toddler Sensory Profile,ITSP)及び新版K式発達検査,近赤外分光法(near infrared spectroscopy, NIRS)を用いた脳活動の取得を行った。脳機能計測での参加児は,正期産児のべ80名,早期産児28名であった。脳の活動評価では,安静時の脳活動及び感覚振動刺激を提示中の脳活動を評価したところ,正期産児と早期産児のヘモグロビン変化が発達によって異なること,さらに,領域毎に特徴的な変化を示すことが分かった。 一方,ITSP及び新版K式発達検査を比較した研究の参加者は,正期産児18名,極低出生体重児32名であった。日常生活における乳幼児の感覚刺激への反応傾向を保護者に質問するITSPの評価から,低登録,感覚探求,感覚過敏において極低出生体重児では有意に強い特性がみられ,低登録においては,新版K式発達検査の全領域発達指数と相関がみられた。極低出生体重児では、聴覚・視覚・口腔感覚において有意に強い感覚特性がみられた。極低出生体重児では正期産児と比べて強い感覚特性を示し、感覚処理パターンが異なることが明らかになった。 今後,ITSPにおいて強い感覚特性が観察された児について,脳機能及びITSP,個別式発達検査を継続的に評価することで,感覚異常を持つ児への早期スクリーニング・早期発達支援の構築に繋げる。
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