2016 Fiscal Year Research-status Report
膵癌における腫瘍免疫抑制性Natural Killer T細胞の機能解析
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16K21269
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
加藤 真吾 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (20622583)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 膵癌 / NKT細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス膵癌オルガノイド同所移植モデルに関して、恒常的KrasG12D発現に加え、shRNAによるp53のノックダウンにより、膵癌オルガノイド細胞株を樹立した系を用いていた。しかし、in vivoでの移植の際、再現性が低いという問題が発生した。免疫染色による解析の結果、shRNAによるp53のノックダウンがin vivoの系では安定しないという結論となり、CRISPER CAS9システムを用いて再度オルガノイド細胞株を立ち上げる方針とした。ダブルニッカーゼ型のCRISPER CAS9システムを用いてp53のノックアウトを試み、シングルセル化を行い、ゲノム編集された細胞株を得ることを目指した。平成28年度末の時点で、ゲノムレベルで目的の部位が切断された細胞株を樹立し、p53のmRNAの発現が優位に低下していることを確認した。今後、ウェスタンブロッティングでタンパク質レベルでの発現低下を確認し、vivoでの同所移植の系を確立する方針とした。 また、本年度は平成29年度の計画に含まれる膵発癌モデルマウス(LSL-Kras/pdx-1 creマウス)に関しても立ち上げを行い、既に野生型を背景としたマウスが20匹、CD1dノックアウトマウスを背景としたマウスが10匹得られている。しかし、Ja18ノックアウトマウスに関しては、これまで一般的に使われてていたマウスの欠点(一部のTCRレパトアに異常がある点)を補った新しいJa18ノックアウトマウスが開発されたため、まずはそのマウスを入手することとした。平成28年度末の時点で、自施設での繁殖に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に述べた通り、オルガノイド同所移植モデルに修正が必要であったため、平成28年度の計画はやや遅れている。しかし、再現性のない系で解析を進めても後から問題となるため、まずは再現性のある系を確立することを優先した。CRISPER CAS9を用いた系は当実験室では初めて行うが、平成28年度末の時点で、ゲノム編集が確認された細胞株が得られており、現状行っている解析の方向性は問題ないと考えている。 一方で、平成29年度の予定に入っている膵発がんモデルマウスに関しては、予定を前倒しして、一部のマウス系統の確立が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
膵癌オルガノイド同所移植モデルをCRISPER CAS9システムを用いた系に変更したことは、大きな変更であったが、平成28年度末の時点で計画の実行が可能と考えられる結果が得られているため、このまま続行する。 平成29年度の計画に関しても、マウス系統の樹立に関しては、その方法を平成28年度内に確立できたため、残りのJa18ノックアウトマウスを背景としたLSL Kras/Pdx-1 creマウスに関しても、樹立を行う。
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Research Products
(3 results)