2017 Fiscal Year Research-status Report
腰部ヘルスケア支援を目的としたソフトアクチュエータ搭載型知的コルセットの開発
Project/Area Number |
16K21281
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
西岡 靖貴 滋賀県立大学, 工学部, 助教 (70609734)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソフトアクチュエータ / 筋電位 / システムインテグレーション / 看護工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクティブコルセットは使用時には通常のコルセットと同等の機能を有し、非使用時には拘束感の少ない衣服のような機能を有することが必要である。また、職務中に使用することを例として想定しているため、両状態の切り替えは可能な限り迅速に行われることが望ましい。初年度において実施していた基本構造により、アクチュエータを内蔵しながらも拘束感の少ないコルセット構造が試作された。これらを踏まえて本年度では下記の成果が得られた。 1.アクチュエータの応答性:内蔵している空気圧式極軽量ソフトアクチュエータの応答性の向上を試みた構造を提案し、その機能を評価した。分割されたアクチュエータにより動作性は向上していたものの、分割部によって流体の抵抗が生まれ、切り替えに遅れが生じていた。内部に微細な流路を内蔵したアクチュエータ構造を考案し、いくつかの設計パラメータに基づき試作した。評価の結果応答速度の良好な設計パラメータが得られた。 2.駆動システムを含めたウェアラブル化:空気圧源、空気圧弁、制御部を含めた携帯化を試みた。システム全体の重量として1kg未満を実現した。また、例として看護服に装着可能な形態でシステムを構築した。 3.有効性の検証:検証方法として筋電位を用いた評価と、看護学生10名による装着状態での特定の看護動作の実施によるアンケート評価の2種類を実施した。筋電位に関しては従来のコルセットと同等の結果が得られた。アンケート結果からは、良好な締め付け力であること、システムの装着性に関する意見などが得られ、次年度への改善点が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H29年度以降の予定として計画していた3項目のうち、2項目がほとんど達成されている。 【アクチュエータ及びコルセット設計】 設計パラメータの導出、変位と発生力に関する評価も実施済みである。また当初の予定にはなかった応答性に関する課題も発見し、その解決にも取り組み成果が得られた。 【システム構築と評価実験】 システム全体の重量の増加を回避した、軽量な独立型空気圧制御システムが構築された。また、それを用いた被験者による評価実験を実施でき、さらにその有効性について、筋電位による客観評価と看護学生によるアンケート評価を用いた主観評価の両面により実施することができた。 上記のことから予定された項目を達成し、新たな課題を発掘し計画以上の進展がみられたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
姿勢角によるフィードバック制御機能について機能の搭載を試み、応用展開分野を拡大する。そのためのシステム構築、及び拘束感の定量化とその制御則の導出を完成させる。拘束感の定量化に関する被験者複数人による実験は実施済みであるため、その結果を整理し、機能の搭載に応用する。また、それらの有効性の検証について様々な対象に対して評価実験を試みる。
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Causes of Carryover |
想定していた被験者の数より少ない人数で実施した。現段階では基礎システムの構築とその評価のため、人数を減らした分として上記金額が生じた。次年度においても機能を拡張したもので有効性の評価を行う予定であり、その評価実験に増分を使用する計画である。
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