2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel diagnostic and therapeutic approach for the diffuse large B cell lymphoma with CDKN2A deletion
Project/Area Number |
16K21284
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
知念 良顕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10757602)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | FISH法 / CDKN2A / 難治性B細胞腫瘍 / 染色体微小領域欠損 |
Outline of Annual Research Achievements |
CDKN2A欠失を伴う難治性B細胞腫瘍の治療成績向上を目指す本研究では、臨床研究と基礎研究の両面から行った。臨床研究では、CDKN2A欠失を高頻度に伴うびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)について研究を行い、DLBCLに罹患した患者群には過去に癌の既往をもつ者が一定数存在し、予後に影響を与えている可能性を見出した。基礎研究では、今回我々が新規に考案した増幅FISH法の標本作成の工程に改良を加え、実際の臨床検体で解析可能かどうか検証した。 これまではCDKN2A 検出用の微小領域検出用DNAプローブは、分裂期核において安定したシグナルを得ることが可能であったが、間期核では臨床応用可能と考えられる程の十分な感度が検出できないことが問題であった。今年度は、昨年度に引き続きスライドガラスへのプローブの添加量やハイブリダイズ時間、二次抗体の反応時間などを調整し、分裂期核だけでなく間期核においても同様の検出感度を得ることに一定の成果を得た。そして、CDKN2A 微小領域欠失をもつリンパ腫細胞株および正常細胞に対して、増幅FISH法、通常のFISH法を用いて細胞内のCDKN2A遺伝子検出の正確性を比較した結果、増幅FISH 法は通常FISH法と比べ正常細胞のみならず、染色体微小欠失を有する細胞においても感度・特異度が共にすぐれていることが明らかとなった。さらに、SNPアレイでCDKN2A遺伝子の微小領域欠失を認めた患者検体に対して増幅FISH法を行った結果、通常FISH法では偽陽性となったCDKN2Aシグナルが増幅FISH法では検出されず、偽陽性となる可能性が極めて少ないことを確認した。以上から、微小領域欠失検出用DNAプローブを用いた増幅FISH法は臨床検体に対しても応用可能であることが示された。
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