2017 Fiscal Year Research-status Report
子どもの問題行動に関する要因分析および支援者支援の構築
Project/Area Number |
16K21295
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 幸子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (90747528)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 不登校 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもの不登校の要因について、29年度まで実施し論文にまとめた量的データを用いた研究は国際誌に論文が掲載され、終了とした。この研究では、生活全体の満足感が低いことや学習に対する適応感が低いことが不登校のリスクを高めていることが明らかになった。この結果を受け、特に生活満足感についてその具体的な影響要因を検証する必要があると考え、小学生の不登校の背景について質的に記述し明らかにすることを目的に二つ目の調査を実施した。この調査は小学校教諭約30名を対象に小学生の不登校の要因について半構造化インタビューの方法で情報収集を行い、現在逐語記録の分析及び考察を行っている。子どもの個人要因、環境要因、ライフサイクルに関連した要因に分類して考察を進めている。次年度中に学会にて結果を発表する予定である。支援者支援に関する研究では、29年度中に中学校教諭を対象とした調査を実施し完了した。この調査は、量的手法を用いて行ったもので、自己記入式質問紙を中学校教諭に郵送にて配布し、約300名の教諭より個別データを収集した。この調査は、子どもの支援者となる学校教諭の健康関連QOLについて、職場環境との関連性を検証したものであるが、職場環境の改善によって健康関連QOLを高める可能性が示唆された。今後は、論文発表いより成果を公表する予定である。今後の予定として、30年度は現在進行中の小学校教諭を対象とした質的研究の成果をまとめることを優先的に行い、発展的な研究について研究計画案を立案し最終年度の実施に向けて準備する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学生年代の子どもの不登校の背景要因を整理し明らかにする目的で小学校教諭にインタビューを実施した調査は、インタビューの内容を質的に分析したのち、結果をまとめ考察している段階である。昨年度末まで当初計画より早めに進行していたが、29年度から引き続いて30年度は論文にまとめる段階となり、計画度通りの進捗状況となっている。引き続き考察を進め次年度中に論文にまとめられるよう取り組んでいる。中学校教諭の健康関連QOLについて検証した調査は、学会発表により結果を発表しており、29年度中に論文にまとめたため、今後は学術雑誌への成果発表を行い完了する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
進行中の調査について、引き続きデータを分析し、考察および論文にまとめる作業を継続する。不登校の背景要因について分析している質的研究の結果は、次年度あるいは最終年度に行う調査の資料として用いることを考えているため、次年度中に結果をまとめた上で次の調査計画案についても検討する。
|