2016 Fiscal Year Research-status Report
複合的な公平性判断における機会の平等と結果の平等の脳内表現
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16K21301
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| Research Institution | Kochi University of Technology |
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Principal Investigator |
青木 隆太 高知工科大学, 総合研究所, 助教 (50751103)
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2016-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 脳機能イメージング |
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| Outline of Annual Research Achievements |
社会的平等には大きく分けて「機会の平等」と「結果の平等」の2種類がある。現実社会において人々が公平性を判断する際には、多くの場合「機会の平等」と「結果の平等」の両方を考慮に入れていると考えられる。本研究の目的は、そのような複合的な公平性判断を要する状況において、「機会の平等」と「結果の平等」が脳内にどのように表現されているかを機能的磁気共鳴画像法（fMRI）を用いて検証することである。
初年度である平成28年度は、大学生40名を対象とした脳機能イメージング実験を実施した。この実験で使用した課題は「機会の平等」に関する経済学理論をもとに独自に開発したもので、「機会の平等」がある条件とない条件を文脈として操作し、それぞれの条件における「結果の平等」に対する選好の度合いに差があるかを定量的に測定することができる。行動データを解析した結果、「機会の平等」がある条件下では、金銭分配の結果の平等性（equality）が多少低くとも、分配の効率性（efficiency）が高いことをより好ましいと判断するという傾向が見られた。
fMRIデータの解析には、多ボクセルパターン解析法（multivoxel pattern analysis）の一種である表象類似度解析（representational similarity analysis）を使用した。この解析により、「機会の平等」の有無の文脈の違いに応じて、分配の効率性の脳内表象の強さ（encoding strength）が変化することが示された。行動データの結果と合わせて、「機会の平等」がある条件では「機会の平等」がない条件に比べて、平等性よりも効率性が相対的に優先されることが示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
fMRIデータに多ボクセルパターン解析法を適用し、計画時に予定していた単変量解析（univariate analysis）よりもより先進的な手法を用いて感度の高い結果を得ることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られた結果を国際学術誌に投稿する。また、北米神経科学大会などの国際学会で発表をおこなう。また、オンライン調査など多数の参加者からデータを取得できるプラットフォームを用いて、「機会の平等」と「結果の平等」に関する選好の個人差を調べることを検討する。
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| Causes of Carryover |
fMRI実験に必要であったMRI施設利用料の補助を所属機関から受けることができたため、平成28年度の支出が計画より少額で済んだ。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外の学会参加などによる研究成果発表を、当初の計画以上に積極的におこなう予定である。
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