2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an optimal vacuum cooking protocol to reduce the risk of aspiration at low temperatures
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16K21303
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
中嶋 名菜 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (40614631)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 真空調理 / テクスチャー / 加熱条件 / 保存条件 / 呈味成分 / 煮物 / 品温低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
真空調理食品は,運搬性に優れ,栄養損失が少ないため,保育所や介護老人福祉施設,被災地等に適している。しかし,通常のゆで調理と比し,品温が低下した場合,食品の飲み込み易さがより悪化することから,幼児や高齢者の誤嚥リスクを高めやすい。そこで,本研究は,低温下でも飲み込み易い真空調理食品となる至適調理プロトコールを明らかにする。こうした知見が確立されたならば,保育所や介護老人福祉施設,被災地等に対し,栄養成分残存率が高く,低温でも飲み込み易い真空調理食品を新規に開発・提案できる。 まず、煮物において使用頻度が高い野菜、ジャガイモ、ニンジン、タマネギを使用し、調味液濃度ならびに砂糖の代わりに本みりんを用いるなどの飲み込みやすい調味液条件を見出した。次に、ジャガイモ、ニンジン、鶏肉を使用し、飲み込みやすい調味液条件における最適加熱時間を検討し、本研究の調理条件においては加熱時間45分が、品温低下時にも飲み込みやすさの悪化しにくい最適な加熱時間であると示唆された。最適加熱時間で調理した真空調理食品について、冷蔵保存による影響を検討し、すべての保存期間・試料において、品温低下による硬化が認められた。 最終年度(令和4年度)はこれまでの研究成果を整理し、8月開催のACD2022(The 8th Asian Congress of Dietetics)、11月開催の第17回日本給食経営管理学会学術総会にて発表した。さらに最終年度では追加実験として、タマネギの真空調理による呈味成分の変化を検討し、真空調理により呈味成分を保持すること、機能性成分であるGABAが非加熱と比し高値になること、真空調理に急速冷凍を組み合わせることでさらにGABAが高値を示すことを明らかにし、11月開催の美味技術学会2022年例会、令和5年2月開催の第10回日本栄養改善学会九州・沖縄支部学術総会にて発表した。
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Research Products
(4 results)