2017 Fiscal Year Research-status Report
観光客の動機・満足度・再訪意向の関係とリピーター創造に関する研究
Project/Area Number |
16K21334
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
鎌田 裕美 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (00456287)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 旅行動機 / 満足度 / 再訪意向 / リピーター / 訪日観光客 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、旅行動機、満足度、再訪意向の調査分析を通じて、リピーターとなる客層を明らかにすることである。調査対象は、日本人のほか、訪日観光客(インバウンド)である。 当初、平成29年度は温泉客以外の日本人観光客を対象に調査分析を行う予定であったが、インバウンドの急増やリピーターの重要性に対する観光地等の関心の高まりがあり、またこれまでの研究成果やインバウンドに関する先行研究をレビューし、インバウンドのバラエティ・シーキング行動に着目した研究を進めることが、本研究の目的であるリピーター創造についてより重要であると考えるに至った。そのため平成29年度にバラエティ・シーキング行動に関する基礎的な情報を得ることを目的に、インバウンドを対象にした調査を実施した。調査実施に向けて、これまでに複数回実施した日本人観光客を対象にした調査を基に、旅行動機、満足度、再訪意向について検討をした。具体的には、旅行動機、満足度、再訪意向の関係について分析、結果の考察を行ったほか、消費者行動論のひとつであるバラエティ・シーキング行動の観光への適用可能性について検討した。こうした検討を基に、訪日経験のある台湾人を対象にweb調査によりアンケート調査を実施した。その結果、Enjoy, Sports, Escape, Discover, Luxuryという旅行動機が抽出され、4つのセグメントに分かれた。また、満足度と再訪意向は総じて高い傾向にあるが、次に行きたい観光地として日本以外を回答した人も多く、観光地の選択プロセスや再訪につながる動機、意向の関係をより深く追究することが重要であるという課題が明らかになった。 これらの検討についての成果は国内外の学会で報告し、さまざまな助言等を得た。また、日本人温泉客を対象にした研究については、2冊の書籍にそれぞれ1章分として掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、平成28年度に検討した旅行動機、満足度、再訪意向に関する研究成果を基に、インバウンドを対象にwebによるアンケート調査を実施し、分析した。同時に、回答者の海外旅行経験についても調査し、より自分の好みに合う観光地を探索するバラエティ・シーキング行動に関する基礎的な情報を得ることができた。満足度と再訪意向は総じて高い傾向にあるが、次に行きたい観光地として日本以外を回答した人も多く、観光地の選択プロセスや再訪につながる動機、意向の関係をより深く追究することが重要であるという課題が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
リピーターを創造するために、まず再訪意向やバラエティ・シーキング行動を把握することが重要である。これらの行動を理解することなしに、効果的なリピーター創造や誘致策は検討できないと考えるためである。そのため、旅行動機、満足度、再訪意向の分析を継続するとともに、平成29年度に実施したアンケート調査から得た海外旅行経験に関する情報を基に、個人の観光地選択や再訪行動、バラエティ・シーキング行動を深く調査するため、インタビュー調査を行う。インタビュー調査の結果から、観光地選択のプロセス、訪日経験が及ぼす再訪行動への影響、バラエティ・シーキング行動を分析する。 こうした研究成果は、国内外の学会や研究会で報告し、助言等を得て研究の向上を図る。また、本研究の成果として、インバウンドにおける観光地としての日本のポジション、リピーターになり得る客層の明確化、リピーター創造のための戦略について考察し、示唆を導出する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、平成29年度に温泉客以外の日本人観光客を対象に調査分析を行い、平成30年度にインバウンドを対象にした調査を行う予定であった。しかしながら、インバウンドの急増やリピーターの重要性への観光地の関心の高まりを背景に、これまでの研究成果やインバウンドに関する先行研究をレビューし、インバウンドのバラエティ・シーキング行動に着目した研究を進めることが、本研究の目的であるリピーター創造について重要であると考えるに至った。そのため、今後はインバウンドを対象に個人の観光地選択や再訪行動、バラエティ・シーキング行動を把握するため、アンケート調査ではなくインタビュー調査を中心に行うことにした。 上記の変更に伴い、平成29年度では、インタビュー調査を行うための基礎的情報を得ることを目的に、まず、訪日経験のある台湾人を対象にアンケート調査を実施し、旅行動機、満足度、再訪意向、海外旅行経験や訪日時の行動等の情報を得た。当初は、日本人観光客を対象にサンプルサイズを拡大したアンケート調査を行う予定であったが、台湾人を対象にしたアンケート調査に変更したため、サンプルサイズや質問数の違いから次年度使用額が生じた。 平成30年度は、これまでの研究成果および平成29年度に実施したアンケート調査結果を基に、訪日経験のある個人を対象にしたインタビュー調査を行う予定である。
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Remarks |
鎌田裕美(2017)「空港の満足度に関する一考察」、『KANSAI空港レビュー』、No.463、pp.22-24.
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Research Products
(7 results)